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世界中を混乱に陥れたコロナ禍。いまや、リーマン・ショックに比肩する景気悪化におそわれるとの予想も。そこで、ボロボロ家計を救うべく、使える制度を使い倒そう! 利用できる支払いの「猶予・免除」にはどんなものがあるのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんが教えてくれたーー。

 

■税金は滞納扱いになる前に手続きを!

 

大手旅行会社のHISが今夏のボーナス支給を取りやめるなど、多くの企業でボーナスが大幅に削られています。みずほ総研は、今夏のボーナスが昨年より9.2%減ると予想(’20年5月)。リーマン・ショックに次ぐ大きな下げ幅です。

 

「ボーナスが出るだけありがたい」声がある半面、「冬までどうやって暮らせばいいんだ」という嘆きは深刻です。住宅ローンのボーナス併用払いや毎月の赤字補填など、“ボーナス頼み”の家計にとって、1人10万円の「特別定額給付金」は焼け石に水。今年後半の家計は、ボロボロになるかも……

 

とはいえ、借金は避けたい! ならば、支払いの「猶予・免除」を利用しましょう。国の要請を受けて、コロナ禍の特別猶予もあります。

 

【1】電気・ガス料金

 

電気・ガスは自由化で事業会社がたくさんありますが、その多くが支払いの猶予を行っています。

 

さらに、ガスパルというガス会社は、6月からの3カ月間、ガスの基本料金を一律5%割引きます。また、東北電力は、夏場の2カ月間、電気の基本料金を無料にするとか。各社の対応を比較し、この機会に電気やガスの会社を乗り換えてもいいのでは。

 

【2】NHK受信料

 

’21年3月までは延滞料なしで猶予が受けられます。ただ、個別の状況によるので、コロナ禍専用の相談窓口にお問い合わせを。

 

【3】固定電話・携帯電話料金

 

NTTやドコモ、auやソフトバンクは7月末まで支払期限を延長しています。格安SIMの各社も同様の対応が取られていますが、「申し出のあった翌月分から」猶予する会社もあります。早めの手続きをお勧めします。

 

【4】住宅ローン・生命保険

 

住宅ローンや生命保険料は、家計に大きな影響を与えますから、真っ先に対処したいものです。

 

住宅ローンは、借りている金融機関で、返済方法の見直しを行います。ボーナス併用払いをやめる、毎月の返済金額を抑えるなどの方法がありますが、毎月の返済額を抑えると、返済期間が延びて利息もかさみます。家計が落ち着いたら、再度の見直しが必要です。

 

生命保険は’21年4月末まで、支払いを猶予してくれます。保険料のために解約すると、まさかの事態に、補償が受けられないことも。解約は最終手段だと思って、さまざまな手立てを探しましょう。

 

6月24日、世界通貨基金(IMF)が、世界経済は大恐慌以来最悪の景気後退と発表。日本はリーマン・ショックを超える景気悪化になると予測しました。

 

コロナ禍の経済ショックはこれからが本番かもしれません。私たちは、使える手はなんでも使って、家計を死守する覚悟が必要です。

 

「女性自身」2020年7月14日号 掲載

経済ジャーナリスト

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