画像を見る

「子どもがやっと独立して一段落したのはいいのですが、貯蓄が底をついてしまいました。これから自分たちの老後資金をどうやって貯めたらいいのか、夫婦で途方にくれています」

 

そう嘆くのは50代の主婦・A子さん。個人型確定拠出年金のイデコ(iDeCo)に加入しようと思ったら、60歳未満しか加入できないことを知った。また、A子さんのような専業主婦は所得がないぶん、税金の負担が減るという恩恵が得られないので、「定期預金でコツコツ積み立てるしかないのかな」と思っていた。そんなとき「つみたてNISAが人気!」という記事が目に飛び込んできた。

 

金融庁によると’20年12月末までの「つみたてNISA」の口座数は、302万8,259で1年前と比較すると、1.6倍にも増えたという。

 

『つみたてNISAの教科書』(ナツメ社)の著者で、ファイナンシャル・プランナーの風呂内亜矢さんが言う。

 

「つみたてNISAとは、’18年からスタートした投資信託を対象にした非課税制度のことです。通常の投資なら、投資で出た利益に20%ほどの税金がかかりますが、つみたてNISAには税金がかかりません。積立額の上限は1年間に40万円までで20年間非課税で運用できます。しかも、20歳以上であれば何歳からでも始められますし、いつでも売却や引き出しができます。つみたてNISAを始める人が増えたのはこれらのメリットにプラスして、コロナ禍でのおうち時間を活用して、家計の見直しをしながら、将来への備えについて夫婦で話し合いができたことが大きいと思います」(風呂内さん・以下同)

 

つみたてNISAで利用できる金融商品は、毎日「基準価額」が変動する投資信託。場合によっては元本割れするリスクもあるので、“初めの一歩”を踏み出せない人もいるだろう。

 

「日本で販売されている投資信託は約6,000本もありますので、多すぎて選べないという人もいたと思いますが、つみたてNISAで投資ができる投資信託は、金融庁の基準を満たした167本(’20年12月23日)に絞られます」

 

たとえば毎月1万円を普通預金に預けた場合、5年後に約60万円、10年に約120万円、20年後に約240万円になる。つみたてNISAに同じ金額を預けて、年2%の利回りで運用できたとすると、5年後には約63万円、10年後には約132万円、20年後には約294万円と差は歴然!

 

将来、平均何%の利益が必ず出るという確証はないが、リスクを最小限に抑えるためにも少額からスタートして長期間運用するのがベストだ。

 

「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載

【関連画像】

関連カテゴリー: