■イヤホン運転経験者のうち、4人に1人が危険な思いをしたことがあると回答
被害の声が切実なイヤホン運転だが、実際にイヤホンを付けて自転車を“運転したことがある”と答えた人は31%だった。そのうち26%がイヤホンを付けての運転中に、危険な思いをしたり、事故を起こしたことがあると回答。注意力が散漫になったり、外部音が聞こえず車や人の接近に気づかなかったりするようだ。どのような状況だったのか見ていこう。
周りの音が聞こえにくく注意力が散漫になり信号無視しかけた(50代・男性)
車のわずかな音が聞けず、目視で確認できない車に気付けなかった(30代・男性)
背後の左折する車の音に気付かず接触しかけた(20代・女性)
イヤホンをつけて音楽を聴いていて車のクラクションの音が聞こえなくてぶつかりかけた(30代・女性)
事故は無いが10年以上前、高校生の頃。イヤホンで音楽を聴きながら自転車に乗っていて、落とし物に気付いたすれ違った人が追いかけて来たことがある。赤の他人だけど息を切らしていて、申し訳なさでその日からイヤホン運転はやめた(20代・女性)
片耳だけでイヤホンしていたのですが、ちょうどしている側の方からくる歩行者の方とぶつかりそうになったことがありました(20代・男性)
イヤホンをつけたまま自転車で横断歩道を渡っている時に、自分の右側から車が来ていることに気づかずはねられたことがあります。幸い自身には大きな怪我はありませんでしたが、自転車のボディーが折れ自身も2メートル先まで飛ばされました。それ以降二度とイヤホンをつけたままの自転車走行はやめています(20代・女性)
まさかのカバンごと落としても気づかなかったってことがあり、イヤホンつけたらあかん! とおもいました(40代・女性)
■片耳だけのイヤホンなら大丈夫?
国が定める道路交通法は、自転車を運転中のイヤホン使用を明確に禁止しているわけではない。都道府県によってはイヤホンに関する規定があるものの、使用自体を禁止しているものは少ない。たとえば、東京都ではイヤホンの使用について以下のように規定している。
《高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホーン等を使用するときは、この限りでない。》(東京都道路交通規則の第8条(5)より)
このように東京都の場合“安全に運転できない音量”で、イヤホン等を利用して音楽などを聴くのは違反となる。しかし、安全に運転できない音量がどれくらいなのかは、明記されていない。
このように、違反となる明確な基準が存在しないことが多いため、片耳だけならば大丈夫、との意見も見られるイヤホン運転。しかし、今回のアンケートには片耳イヤホンでも危ない思いをしたことがあるという経験が寄せられている。
安全のことを考えれば、両耳でも片耳でも、着用しての走行は避けるのが無難だろう。仮にどうしても着用する場合は、自分だけでなく誰かの命をも危険にさらすリスクが上がることを認識し、いつも以上に注意をはらって運転してほしいものだ。