働きすぎで亡くなる人も…増加するシニア労働者の労災への対処法を専門家が伝授
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■求人票をチェックして危ない企業を判断

 

このようなトラブルに巻き込まれてしまった場合はどのように対処すればよいのだろうか?

 

「まず、万が一“仕事によってけがや病気をした”という場合は必ず労災の申請をするようにしてください。パートタイマーでも労災申請はでき、休業補償給付などを受けられます。

 

もし会社側に断られたり、言い出しにくくてもあきらめず、個人でも加入できる労働組合などに相談を。代わりに会社と交渉をしてくれます」

 

このような組織には、各地域に存在する「コミュニティ・ユニオン」や「働くもののいのちと健康を守る全国センター」などがある。さらに、労災以外でも“体力的に仕事がきつい”“残業代が支払われない”など働くうえでのトラブルを抱えた場合にも、これらの組織に相談することが有効だ。

 

また、人材紹介や人材派遣などなどを経て就職した会社であれば、利用したサービスに相談するのも手。高齢者に特化した人材紹介や人材派遣を提供するシニアジョブでコーディネイターを務める松澤裕介さんが語る。

 

「やる気は十分でも、体力の衰えや、家族の介護などの環境の変化が起こるシニア世代。働いてみたけれど、勤務日数・時間を変えたい、減らしたいなどは当然起こりうることです。人材派遣や人材紹介を利用していれば、雇う側と働く側のクッションとなり、相談や交渉をしてくれます」

 

たとえば、前職で介護離職をした女性は、もともと週5日勤務を希望して働いていた。しかし再び、親の介護で休みが必要になった。そんな相談を受けた松澤さんは、企業側と勤務日数を減らすよう交渉したという。

 

「これから就職先を見つける人は、シニア向け人材紹介会社などを利用するのがおすすめです。

 

そのような企業を通さない場合も、雇用契約を結ぶ際に自分が働く日数や仕事内容をしっかりとすり合わせることが大切。労働時間や給与、仕事内容などの契約事項や保険についても確認しておきましょう。求人票をよく読むことで危ない企業や確認したほうがいい項目については、目星をつけることができます」(松澤さん)

 

松澤さんが教えてくれたポイントは以下の図を参照してほしい。

 

 

また、加入できる場合、以下のような制度を利用できる場合があるので、雇用保険に入っておくことも大切だ。

 

【高年齢求職者給付金】

失業時に条件を満たせば、過去の賃金の5~8割に相当する基本手当を最大50日分受け取ることができる

 

【介護休業給付金】

配偶者や両親を介護するために休業した場合、条件を満たせば賃金の67%を最大93日分受け取ることができる

 

さらに、これまで雇用保険に加入するには、1つの事業所での1週当たりの所定労働時間が20時間以上などの条件があり、複数の会社で短時間勤務をする人は加入の条件を満たせない場合があった。しかし、雇用保険マルチジョブホルダー制度により条件が緩和されているので、自分が対象になるかは再チェックしてほしい。

 

【雇用保険マルチジョブホルダー制度】

今年1月から導入された新制度。65歳以上の場合2つの事業所における勤務時間などを合計できるようになった。ただし、自分で申請が必要なので対象になるかも!と思ったらハローワークへ

 

まとめると、トラブルに遭った場合には、【1】けが・病気の場合は労災申請をする【2】ユニオンもしくは【3】利用した人材紹介会社に相談することが大切。そして、このようなトラブルを避けるには【4】シニア向け人材紹介・人材派遣を利用する【5】採用時に契約条件を確認する【6】ブラック求人を避ける【7】雇用保険に入るなどが有効だ。

 

シニアが働くことが当たり前になった時代でも、無理は禁物。自分の身を守りながら、仕事を続けていこう!

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