■3割の人がヒヤッと「自分の服に相手のキーホルダーがひっかかった」
しかし、このような“ついつい”やってしまうエスカレーターの歩行のせいで、危険な目にあったという人も。「エスカレーターを歩く人にヒヤッとしたことはありますか?」という設問に対しては、32.3%が「ある」と回答。ぶつかられたなどのほか、歩いている人が転倒したり、足を踏み外したところに巻き込まれたりすることも危惧されている。
「昇ってきた人が背負っていたバックパックにあたりそうになった」
「ぶつかられてエスカレータ上段から下段へと転落したことがあったから」
「子どもが小さい頃にエスカレーターに手を繋いで乗っていた時に横をすり抜けられた時は本当に怖かったです」
「自分の服に相手のキーホルダーみたいなものが引っかかってしまったことがある」
「歩きスマホをしながらエスカレーターを降りていた人が、エスカレーターを踏み外したのを見たことがある」
その一方、前の質問で「歩いて利用することがある」と回答した人たちの75%はこのような経験が「ない」と回答。実際に利用するかどうかの判断には、このような経験の有無が関連している可能性がありそうだ。
■中央に乗る人は“周りが見えていない人”と思われる現実…
ここまではなぜ歩くのかというところに注目してきたが、逆に、「歩けるよう片側をあける」人の心理はどのようなものなのか?
「ふだん、エスカレーターに乗る際に片側をあけるか?」という問いに対しては、94.6%が「あける」と回答している。その理由についても「急いでいる人のためにあける」「マナー」などとする人が多数を占めた。
さらに、片側を開けないことで生じる“デメリット”も大きいようだ。
《開けておかないとぶつかってくる人がいる》
《空けずに乗っていたら、怒られたことかあるから》
《本当は、開けたく無いが他の人達の視線が怖いから》
実際に「エスカレーターで片側をあけず、中央に乗る人のことをどう思いますか?」という質問に対しては《本来は中央に乗るのものだと思うので良いと思う》《片側を開けることはルールではないので中央に乗っていても特に何とも思わない》など「よい」と肯定的に受け止める人は26%のみ。
過半数を占めたのは「よくない」の58.5%で、“マナーを守れない人”“周りが見えていない人”だと感じるという声が多く寄せられた。確かにこれでは中央に立つことを躊躇するのは当然かもしれない。
《マナー違反だから》
《邪魔になる。非常識の人と思われる》
《急いでいる人の邪魔になると思います》
《みんなが止まって乗った方が効率よく人を運搬できる事は知っているのですが、現状の日本のエスカレーター使用事情で、その様な乗り方をする人は周りの状況が見えていない人だなと思ってしまいます》
《ルール化されて、歩く人が無くなれば『良い』が、歩く人がいる間はじゃまになるので『よくない』》
今回のアンケート結果では、まだまだ片側を開けるべきという風潮が根強いことがわかった。一方で、3割の人がエスカレーターの歩行に対して抵抗を持っていることも明らかに。「歩かない」ことによる利用者の”衝突”を避けるためには、施設側や自治体などによる“ルール”の明示が求められるのではないだろうか。