電子マネー利用ランキングはQRコードが圧倒的1位!根強い“一本化”を望む声も
画像を見る

 

2位以下の電子マネーを選んだ人の意見は以下の通り。

 

【クレジットカード系】

《支払いを一つにまとめているので》(40代男性・会社員)
《家計簿アプリとの連携ができて出納管理が容易かつ使い勝手も良いため》(50代男性・自営業/フリーランス)

 

【交通系】

《交通系は良くバスや電車を使うので頻度として多くなる。他店で購入するとポイントもつくので》(50代女性・該当なし)
《スピーディーだから》(40代男性・会社員)

 

【流通系】

《スーパーで使うから》(30代女性・専業主婦)
《楽天ポイントが貯まるから》(40代女性・該当なし)

 

クレジットカードや交通系よりは後発ながら、なぜQRコード決済がこれだけ圧倒的な支持を集めたのか。関東学院大学経営学部講師で、山本国際コンサルタンツ合同会社の代表も務めるキャッシュレス決済の専門家・山本正行氏は、こう分析する。

 

「最大の理由はキャッシュレス決済が普及する前の早い段階からPayPayが非常にお得なキャンペーンを実施して、直接的な割引といった消費者に分かりやすいメリットを明確に打ち出し展開してきたからではないでしょうか。PayPayにつられてd払いや楽天ペイ、auPAYなど他のQRコード決済も負けじとキャンペーンを行って盛り上げました。

 

こういったことで、キャッシュレスそのものに注目が集まり、Suicaや、クレジットカードの利用も増加したのですが、それら以上にQRコード決済は消費者メリットが大きいと感じられる動機付けがされていた。そしてそれが一定期間持続したということが大きかったのでしょう」

 

PayPayのサービスが開始されたのは’18年の10月。’18年12月に行われた抽選で当選すれば10万円相当までが全額返ってくる『100億円あげちゃうキャンペーン』は、全額還元するまで4ヶ月間を想定していたところわずか10日間で終了するほどの反響を呼んだ。それ以降も自治体と共同でPayPay払いした人に10~40%分のポイントが還元される「あなたのまちを応援プロジェクト」などが開催されている。山本氏は続ける。

 

「多くのクレジットカード会社などは高い還元率のキャンペーンを、キャッシュレス決済が普及する初期の段階だけでやめたなかで、QRコード決済は継続しました。背景にはコロナ禍で地域を盛り上げるために自治体が財源を支払い、QRコード決済の事業会社の負担なしにキャッシュバックできるキャンペーンが持続したことがあげられます。そんな中で、PayPayが使用できる店舗数を増やし、おそらくクレジットカードや、Suicaよりも多いと思われる環境を整えたという複数の要素が重なった相対的な結果だと思っています」

 

ここ数年で飛躍的に利用者が増えた電子マネー。消費者は電子マネーに何を望んでいるのだろうか。アンケートの「今後、電子マネーに求めることを教えてください」という問いには、次のような回答が。

 

《電子マネーの種類が多いので統一してほしいです。》(40代女性・会社員)
《ポイント還元率が下がらない事》(40代女性・自営業・フリーランス)
《一つのバーコードで色々なQR決済ができるようになって欲しい》(40代男性・会社員)
《1つの電子マネーで全ての支払いに使えるようになると便利。買い物も交通機関も》(40代男性・会社員)
《ひとつに統一して欲しい》(40代女性・会社員)

 

消費者から要望があがった電子マネーの一本化が実現することはあるのだろうか。山本氏はこう考えを述べる。

 

「まずあまり人気のないものは淘汰されていくと思います。自然淘汰ですよね。ただ一つに集約の答えは難しくてその方向性は見えていません。本来はVISA・マスターカードのように一本化して、どこでも共通して使えるようにするといったキャッシュレスをより良いものにしていく努力は必要なんですよね。

 

ただ相互利用できる環境の検討が段階的に進んでいくだろうとは思うのですけど、単純に統合されますね、といえないのが正直なところです。消費者にとってはいろんな種類が多すぎるという声はわかりますし私もその通りだと思いますが、事業者の都合を考えたところなかなか思うようにはいかないでしょう」

 

最後に山本氏は電子マネーの未来についてこう語る。

 

「いろいろな考え方のひとつですが、Amazonなんかは先進的な取り組みをしていて、Amazon Goという入り口でスマホにより認証して、欲しい商品をかごに入れてそのまま店外に出てしまえば自動的に決済がなされる“レジなしの店舗”を展開しています。

 

世の中では、キャッシュレス決済を発展させるというよりは、買い物体験そのものを楽にする方向にありまして、Amazonなどで既に部分的に実現していますし、次の柱になっていく可能性があると思います」

 

群雄割拠の様相を呈す電子マネーの熾烈な争い。果たして、最後に生き残るのは――。

出典元:

WEB女性自身

【関連画像】

関連カテゴリー: