■毎月赤字がある家庭は貯金しづらい
シートを書き込んだらチェックしたいのは次のような項目だ。
「まずは、毎月の赤字があるかどうか。貯蓄できない家庭は月々2万〜3万円ほどの赤字をボーナスで補塡しているケースが多く、ボーナスの半分近くが赤字補塡として消滅……。その結果、たちまち貯蓄計画が崩れてしまいます」
いちばん右の列の「年間合計」を見ると、その項目の出費の大きさを知ることができる。
「たとえば保険や共済の掛金は、ひとつひとつだと大したことがなくても、家族全員でまとめると大きな出費になっていることも。大きいと感じる出費は、支出をカットして貯蓄に回せないか検討するのが肝心です。
年数回の支出が毎月の収支を圧迫していないか、ボーナスで賄えているかも確認しましょう」
また、ぜひ見比べてほしいのが「収支B-A」ではじき出された計算上の年間貯蓄額とその下の「実際に今年貯まった額」。
「実際の貯蓄額のほうが少ない場合は、無意識の無駄遣いである使途不明金があるということ。
理論上貯められるはずの金額を目標貯蓄額として設定し、毎月固定で貯蓄する額とボーナスで貯蓄する額を逆算。先取りして貯めるようにすれば、このような無駄遣いはカットできます」
現状を見渡せば、確実に無駄が見つかる。
「“ここから毎月2万円減らそう”と項目ごとに縮小して月々やりくりしたり、固定費で大きく削れるところを探せば、日々の節約に追われることなく楽に貯蓄額をアップすることが可能です。
毎月赤字を出さずに月1万〜2万円でも貯金をして、さらにボーナスの半分を貯めることができれば、専業主婦世帯なら最低年間60万円、共働き世帯なら年100万円は貯められますよ」
使ってしまったお金を書き出すのは悲しい作業だが……。
「決算シートに書き込みながら自分の無駄遣いに落ち込んだり、恐怖を感じたりすることもあるでしょう。でも、このつらい体験をしなければ、お金が貯まる人に変われないのです」
決算シートを書き込んで、’23年こそは「貯まる人」に変身!