私たちが毎日口にする食材を取り揃えているスーパーマーケット。実は売り場のいたるところにさまざまな“仕掛け”がされている。そういった仕掛けを知らないまま買い物をしていたら、つい不要なものにまで手を伸ばして、ムダ遣いにつながってしまうことも。
某スーパーの野菜売り場で十数年働いたキャリアを持つ「青髪のテツ」さんは、お客さまに野菜のことをもっと知ってほしいという思いから、“消費者にとってのお得情報”をツイッターで発信している。ツイッターで現在52万人のフォロワーを持ち、『野菜売り場の歩き方』(サンマーク出版)の著書もある青髪のテツさんに、消費者にとってお得なスーパーの野菜売り場の歩き方を聞いた。
青髪のテツさんが挙げる野菜売り場のチェックのポイントは次の3ステップ。(1)入口付近にある野菜から見る(2)見切り品コーナーの野菜を見る(3)常温平台コーナーの野菜を見ること、だという。
(1)入口付近にある野菜から見る
「スーパー側としては、お客様が店内に入ってすぐに何らかの商品をカゴに入れてもらうことはとても重要です。入口で商品を手に取ることが、お客様の購買意欲を高めることになるためです。スーパーの入口には安い野菜が置かれていることがよくあります。まず買ってもらえるように、入口付近にはそうした目玉商品を置きますから、そのスーパーの意気込みもうかがえるかと思います。まずは店に入ってすぐの商品、その価格に目を配るとお得な買い物につながります」
(2)見切り品コーナーの野菜を見る
「見切り品というと、傷物、古いものが並んでいるというイメージをもたれがちですが、必ずしもそうではありません。たとえ鮮度がよくても、棚に1つだけ残っている野菜は、そのままずっと売り場に残ってしまうことがよくあります。これは、消費者に『多くの商品の中から選択したい』という心理が働くから。このため、スーパーによっては残り少なくなったものを見切り品コーナーに移すこともあります。そのほかにも、棚替えや、季節的なタイミングの切り替えなどで、新鮮な商品が見切り品コーナーに置かれることがあります。つまり、安い掘り出しものがあることも。
また、見切り品コーナーを見ることで、そのスーパーの鮮度や品揃え、こだわりを見る指標にもなります。見切り品の品質もよい店舗は、商品管理が行き届いていると捉えることもできるのです」
(3)常温平台コーナーの野菜を見る
「スーパーではだいたい野菜売り場の中央あたりに『常温平台コーナー』が設置されていますが、旬の野菜はここに置かれることが多いです。その理由は、野菜売り場の中央は位置的にも目立つし、お客さまの足が向かいやすい場所だからです。旬の野菜は栄養価も高く、スーパーとしてもいちばん売りたい野菜。そのため、中央に配置することが多いのです。安くておいしい旬の野菜を手に入れたい場合は、ぜひ常温平台をチェックしてみてください」
鮮度のよい野菜をお得に買うために、売る側の意図にも気を配ると、財布にもお口にもうれしい買い物につながるかもしれない。