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「1月22日未明、兵庫県神戸市で起きた集合住宅の火災では、4人の死者を含む、8人の死傷者を出しました。出火原因は、延長コードの破損部分がショートし、火花が畳に燃え移ったものだとみられています」(全国紙記者)

 

どの家庭でも必ず利用している延長コード。しかし、経年劣化や誤った使用方法、手入れ不足により、発火し火事に発展するケースが、以前から報告されているのだ。

 

製品評価技術基盤機構(NITE)の製品安全広報課の宮川七重さんが語る。

 

「配線器具の発火事故は、’16年から’21年の6年間で250件が報告されています。ただしこれらは、消防や製造・輸入事業者から報告があったものに限られるため、あくまで氷山の一角。発火しても製品の破損だけで済み、個人的に処理されてしまったケースなどは相当数あるものと、推測されます」

 

気がかりなのは、報告件数の推移だ。’16年から徐々に減少し、’19年にはわずか23件にまで下がったものの、’20年以降、再び増加傾向に転じている。

 

「延長コードやOA用タップの販売数が、’17年を100とした場合、コロナ禍の’20年にはそれぞれ103、110と増えているように、コロナ禍でリモートワークなどが増えたことが要因の一つになっていると思います」

 

こうした延長コードやマルチタップなどが、どうして火災を引き起こすのだろうか。

 

「キャスター付きの椅子でコードを踏んだり重いものをのせるなど、繰り返し外からの力が加わることで、コード内のケーブルの一部が破損します。すると、破損部分の電流の通り道が細くなるため、温度が上昇。コードの表面が溶けることもあります。さらに破損部分が大きくなると、隣接するケーブルと接触してしまい、ショート・発火することがあるのです」

 

実際に先日の神戸の火災は、キャスター付きのテーブルを移動させることで、延長コードを繰り返し踏みつけ、コードを傷つけてしまったことが原因だという。

 

このように「電源コードやコードプロテクターに外から力が加わり、断線してショート」したことで拡大被害(火事やボヤなど)が発生したケースは過去6年で17件、死亡したケースは1件報告されている。

 

同様に拡大被害(22件)、死亡(1件)が報告されている事故原因が“トラッキング現象”だ。

 

「プラグに積もったホコリが空気中の水分を含んだ状態で使い続けると、プラグの二つの刃の間でショートしてしまうのです」

 

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