■マスクは相手への思いやりでもある
【2】相手の行動がハラスメントであることを認識する
〈いつまでマスクしているの?〉〈もう外したら?〉などという圧をかけることは、マスクをつけたい人の権利を奪うハラスメントに当たる可能性も。まず、こうした正しい認識を持つことで、毅然とした対応をする自信につながる。
【3】その場から立ち去る
外出先で見ず知らずの“マスク外せ警察”に遭遇した場合、相手がどんな人物であるかわからない。うっかり意見すると危険に巻き込まれる可能性もあるため、そうした場合は、「そっと、その場から離れる」ことがベターだ。
【4】自分の思いや状況を伝える
職場の上司や友人などが“マスク外せ警察”だった場合は、しっかり自分の思いを伝えてみるのも手だ。
「日本人は自己主張が苦手ですが、相手を否定するのではなく、『私はこう思う』と肯定的に伝えましょう。これを心理学用語で、“I(アイ)メッセージ”といいます」(鈴木さん)
たとえば、〈私は持病があるので、マスクをつけていたほうが安心です〉〈高齢の親にうつしたくないのでマスクをつけています〉などと、はっきり伝えてみることだ。
また、そもそもマスクの着用は、コロナ対策のためだけではないということを押さえておく必要があるだろう。
「心理的なことから、〈マスクをつけないと外に出られない〉という方もいますし、春先は花粉症の方もいるでしょう。それぞれに事情があるので、他人と行動が違っていることを恐れないで」(鈴木さん)
人の行動に無遠慮に口を出す時点で相手に非があるので、こちらが罪悪感を持つ必要はないのだ。自分の思いをしっかり相手に伝えてみよう。
【5】着用は相手のためだと伝える
相手に思いを伝えても、理解してもらえそうにない場合はどうしたらよいだろうか。
「私はあなたを感染から守るためにマスクをしています」と“相手への配慮”を強調するとよい、と言うのは木村さん。
「本来、マスクの大きな役割のひとつは相手を守ることにあります」
つまり、マスクは相手への思いやりの象徴でもあるのだ。大切な人を失わないためにも、マスクをつける権利を奪ってはならない。