日本時間7月6日午前8時、アメリカのIT大手Metaが「Threads(スレッズ)」の提供を開始した。現在、混迷をきわめるTwitterに代わる新天地として期待を集めている新サービス。Twitter上では“Threads先遣隊”と称して、実際にそのサービス内容を検証してみたという声が寄せられている。
本誌記者も、「Threads」に登録してみた。
ブラウザ版はなく、スマートフォン版のアプリをダウンロード。起動すると、現在使用しているInstagramのアカウント情報が表示される。Instagramのアカウントがなければ、そもそもの登録ができないようだ。Instagramのアカウントを複数所持しているユーザーは、いずれのアカウントでThreadsを利用するか選ぶことになる。
その後、プロフィールの設定画面になるが、アイコンや自己紹介文はInstagramのものをそのまま引き継ぐことが可能。こちらは後で変更も可能なようだ(ID、アカウント名の変更は不可)。さらに進むと、Instagramでフォローしているユーザーの一覧が表示され、Threadsでもフォローするか確認がされる。こちらは一斉にフォローすることも、スキップも可能だった。
これで設定は完了し、TL(タイムライン)の閲覧や投稿などが可能になる。各メディアでも報じられているように、Threadsで投稿できる文章は英語で500文字まで。写真や動画が、それぞれ10枚ずつなら添付して投稿が可能だ。現行のTwitterよりも機能としては拡大されている。
他にも、他者の投稿に対して「♡(いいね)」や返信、再投稿や引用(リツイート)、他のSNSへのシェアも可能。TLには「返信」や「いいね!」の数が表示される。
ざっと機能を確認したところでは、TwitterやInstagramを掛け合わせたようなものだろうか……と、思いきや。Twitterの”Threads先遣隊”からは、次のような指摘が続々とあげられた。
・トレンドがないから飽きる
・検索も投稿ではなくユーザーしかできない
・DM不可
・いいねメディア欄、ブックマークリスト無
・今のとこハッシュタグは無意味っぽい
どうやら、TwitterやInstagramそれぞれにあった機能の一部は、Threadsに導入されていないようだ。確認してみたが、「検索」欄からはユーザー検索しかできず、現在のトレンドワードやハッシュタグは見られない。さらに、他の人の投稿に「いいね」をしても、後で見返すようなページは存在しなかった。また、コミュニケーションツールとして使用されることも多いSNSで、直接送れるメッセージ機能がないことはマイナスとして見る人は多いようだ。
“Threads先遣隊”の悲鳴はこれだけではない。まだサービス提供開始からそれほど時間が経っていないからなのか、どれだけフォローしている人がいても、その人の投稿がTLに現れないのだ。代わりに《知らない人の投稿が無限に流れてくる》《Twitterで言うとこのおすすめしかない、しかも全然興味ないのが流れる》《Threads 、TL が地獄。オススメ投稿が無限に流れてくる。フォロワーの投稿は何処や》と、嘆く声が多数寄せられている。
確かに、Instagramを通じてフォローした人たちの投稿はなかなか確認できない。更新するたびに、フォローしていないユーザーの画像付き投稿や、特に興味関心のない投稿が流れてきた。
またTwitterでは《Twitter仲間がリンク貼ってくれてるからそこから飛ぼうしたがエラー》《有名人を名乗るアカウントが散見されるが本人かは不明》といった指摘も相次いでいる。続々と上げられる“Threads先遣隊”の報告を確認して、新たなSNSを不安視する声は多い。
《Threads先遣隊の話が流れてきていますが、私の周りの報告は「移住不可、みな大怪我する前に帰郷されたし」って感じっすな》
《今のところ不便な話しか聞こえてこないけどThreads先遣隊大丈夫そ?》
《Threads先遣隊からの報告がなかなか厳しそう》
Metaのマーク・ザッカーバーグCEO(39)は日本時間同日15時ごろに自身のThreadsアカウントで、開始7時間で登録者数が1000万人を超えたと発表した。果たしてTwitterの“新天地”となりうるのか。注目が集まっている。