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「行動経済学を知ると、自分の不合理な判断パターンや行動のクセを知ることで、ムダな消費行動を避けることもできます。つまり、自分では賢く節約をしているつもりでも、行動経済学に基づくと、無意識のまま不要な出費をして損をしている場合がとても多いんです」

 

そう話すのは、行動経済学に詳しいマーケティング&ブランディングディレクターの橋本之克さん。行動経済学とは、心理学の要素を取り入れた新しい経済学のこと。

 

近年では行動経済学の分野から多数のノーベル経済学賞の受賞者を輩出しており、その理論はビジネスだけではなく、さまざまな分野でも広く取り入れられ始めている。

 

年末年始に向けて何かとお金を使う時期。売り手側も、あの手この手の心理戦で販売機会を狙っている。

 

「レジ横に置いてあるお菓子をついついカゴに入れてしまう人は多いのではないでしょうか。あそこにお菓子コーナーがあるのは、初めに高いものを買おうとすると、後からそれより安いものにお金を払いやすくなる『感応度逓減性』を狙っていると考えられます。また、セールのとき、元の値段を二重線で消して、あえて元の値段がわかるようにしたうえで値引き後の値段を表示していますよね。

 

これを見て、安くなっていると感じる人は多いのではないでしょうか。人はある数字を頭に一度植えつけられると、それと比較して高いか安いか判断してしまいます。これを行動経済学の用語で『アンカリング効果』といいます」(橋本さん、以下同)

 

逆に、こうした行動経済学の理論を知っていれば、ムダ買いを防げるという。

 

「人のお金の使い方は非合理的なものなんです。行動経済学を意識することで、自分の判断をコントロールできるようになり、軽率な買い物が激減します。ムダ遣いが減るだけでなく、満足度が高まり、買い物が楽しくなるはずです」

 

家計管理に関する実態調査(2022年、松井証券)によれば、サブスクや“ご褒美ランチ”などムダ遣いと感じている平均額は月約2万1000円。このお金は貯蓄に回せる可能性大。 行動経済学で、“ノーベル節約賞”を目指そう!

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