「家賃11万円以上」の賃貸に住む50代夫婦が知らない意外な“老後破綻リスク”
画像を見る 【図解】長い目で見れば家賃が大きな負担に

 

■子どもの独立が住み替えの好機

 

現在、住んでいる賃貸住宅に住み続けようと思っている人もいるだろう。だが、その場合、家賃を払い続けられるかが問題になる。

 

年金額ごとに支出割合をシミュレートしていますが、夫婦2人の年金が月20万円でも、その中から家賃を捻出するのは厳しい。賃貸の人は、老後資金を持ち家の人より多めに用意する必要があります」

 

たとえば、家賃が月11万円だとしよう。60歳での定年退職後も65歳までは雇用延長などで働く人が多い。さらに70歳までは夫婦2人で働き、得た収入から家賃を払うとしても、問題は完全にリタイアした70歳以降に残る。

 

家賃は年間132万円。90歳まで生きるとして、20年間で2640万円かかる。これは60代の平均貯蓄額、2458万円を大きく上回る額だ。

 

今の家賃が11万円を超えるなら、老後資金が減るスピードはもっと早くなる。そのうえ、老後資金は家賃以外にも必要な用途があるので、実際はもっと深刻だ。

 

「賃貸派の人は中高年になっても、何度か住み替える必要があることを覚悟しましょう。家賃を抑える方法を考えながら、ついのすみかを探さねばなりません」

 

賃貸派さんが老後破綻しないための住み替え計画を、畠中さんと考えてみた。

 

第一弾として、50代のうちの住み替えも有効だという。

 

「子どもが独立して子ども部屋が空いている人などは、空き部屋分の家賃まで払うのはもったいない。夫婦2人暮らしに合った広さに住み替えれば、家賃を抑えられます。また、社会人になっても実家で暮らす子どもに独立を促すため、引っ越す人もいます」

 

在職中は居住地域を大きくは変えられないが、荷物を減らしダウンサイジングを進めよう。

 

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