■節約できて栄養も補えるヘルシーなご飯をおすすめ
これから本格的な収穫が始まる米どころの天候が順調ならば、10月半ばには新米が出回り、品薄感は解消されていくという。
「米の価格は、買い込みの影響で、なかなか元には戻らず、しばらくは去年よりも3~4割ほど値上がりした状態が続くでしょう。これを機に消費者が米に対する考え方を今一度見直すタイミングかと思います」(常本さん)
毎日食べる米は生活必需品。この高騰が続くなか、どうやってしのげばいいのだろうか。
「いつも炊くお米の量を減らして、その代わりにさまざまな食材を加えた“カサ増しご飯”がヘルシーでおすすめです」
と語るのは日本フードコーディネーター協会理事で、若宮ヘルシークッキング教室を主宰する若宮寿子さん。
“かさ増しご飯”といえば、NHKの連続テレビ小説『おしん』に出てきた「大根めし」をイメージする人も多いだろう。また最近では「しらたきご飯」や「カリフラワーご飯」などがダイエットに効果があるというが……。
「毎日食べるものですから、おいしさと簡単にできることが大切です。
ふだん炊いているお米2合のお米を1合にして、その代わりに豆腐200gを加えて炊いてみたら、塩を少し加えただけなのに豆腐の甘味やうま味を感じられながらも、白飯のイメージそのものでした」(若宮さん)
ちなみに豆腐(200g)の価格は「小売物価統計調査(動向編)の東京都区部(2023年)」によると53.4円。5kg3千円で購入した米(1合あたり90円)で、1回2合の米を炊くところを1合分減らすだけで36.6円もおトクに!
わずか36円と思わないほうがいい。毎日2合ずつ「豆腐炊き込みご飯」を作ったとして、月に約1千100円、年間約1万3千円も食費の削減になるのだ。
さらに若宮さんがこう語る。
「『豆腐炊き込みご飯』では現代人に不足しているカリウムやカルシウム、ビタミンB群がしっかり補えるうえに、炭水化物の摂取量も抑えられるヘルシーなご飯になります。
また、お米の代わりにじゃがいもを加えてみたら、ほっこりしたご飯に。ボリュームがあるから食べすぎ予防にいいようです。
さらに玉ねぎ炊き込みご飯にすると甘味が増して、洋風のおかずと相性がいいようです。調味料をいろいろ試してみたらさらにおいしくなるでしょう」
それぞれ2合分を炊いたとして、じゃがいもで31.2円、玉ねぎだと30.4円もおトク。月900円以上も食費を抑えることができる!
おいしくてヘルシーな、かさ増し炊き込みご飯で、高騰する米騒動を乗り切ろう!