■火事で部屋が全焼。レンジの中からカップ麺の容器が
NITEに寄せられた事例を、安元さんの解説で見ていこう。
【事例1】死亡事故
2021年9月、北海道で電子レンジとその周辺を損傷する火災が発生し、2名が死亡した。
北海道ニュースUHBによれば、「電子レンジが爆発した」と北見市のアパートの住人から通報後、2階の部屋がほぼ全焼し、親子とみられる女性2人が死亡。
その後の調べで、居間に置かれていたレンジの中から「カップ麺の容器」とみられるものが見つかっていたという。
「商品パッケージには、『電子レンジ調理不可』などと注意事項が記されている場合があります。取説と同様、よく確認しましょう」
【事例2】重傷事故
2021年9月、電子レンジ付近から出火して周辺を焼損、1名が重傷。
「パックご飯をあたためる際、長時間加熱しすぎて火災が発生したと思われます。気道にやけどを負う重傷だったと報告されています」
【事例3】軽傷事故
2022年12月、使用中の電子レンジから発火し周辺を焼損して2名が軽傷。
「冷凍唐揚げを加熱しすぎて、レンジの扉を開けた途端、庫内に酸素が入って、その勢いで炎が大きくなったと思われます」
万が一、庫内で発火したことがわかった場合は「あわてて扉を開けないでください」と安元さん。
「レンジの電源をオフにし、プラグを抜いて、これ以上加熱されない状態にします。密閉状態なら余計な空気が入りませんので、自然に火が治まるのを待ちましょう」
【事例4】拡大被害
2021年11月、レンジを使用中にレンジと周辺を焼損する火災発生。庫内に付着していた蓄積汚れ(食品カスや油など)にマイクロ波が当たり、汚れが加熱したのが原因。
「庫内の塗装がはがれて腐食が進んでおり、そこから発火して電子レンジ周囲の家電にも火花が引火したと考えられています」
電子レンジの周囲にキッチンペーパーやタオルなど可燃性のものを置いておくと、燃え移りやすい。 「取説にも書かれていることが多いですが、庫内の油や食品カスは、こまめに清掃しましょう」