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国会では「高額療養費制度」の議論が白熱しています。

 

高額療養費制度とは収入によって医療費の負担上限が決まっていて、上限を超えた分は申請すれば返金される制度です。現行の制度では一般的な年収の方の負担上限は月約8万100円ですが、与党は3段階で引き上げ、最終的には月約13万8千600円と約73%も上げる案を主張。患者団体の切実な訴えや野党の反対を受け、2025年8月の初回引き上げのみを実施する方針から、さらに引き下げ自体を見送るなど混迷を極めています。

 

当初の与党案はまさに“改悪”でした。高額療養費制度はがん患者などの利用が多いのですが、がんは日本人の2人に1人がかかる病気。誰もが人ごとではないでしょう。今後もセーフティネットを死守してほしいものです。

 

いっぽう私たちの生活を考えると、できるだけ健康を維持し医療とは無縁でいたいもの。家計の面でも、たとえばメタボな方はメタボでない方より医療費が余計にかかります。60代女性では年10万円、3割負担なら年3万円多くかかるというデータも。また、糖尿病になると、認知症の発症リスクが約2倍に上昇するといわれます。認知症になると介護費用の負担も増えるでしょう。これらを伝えたいと、このたび医師の鎌田實先生との共著『お金が貯まる健康習慣』(主婦の友社)を出版しました。

 

■私が1カ月で2kg痩せた“ゆるゆるダイエット”

 

鎌田先生は「中高年が特に注意したいのはメタボ」といいます。メタボで内臓脂肪が増えると、高血糖から糖尿病になりやすくなり、糖尿病がひどくなって合併症から腎臓が悪くなると、人工透析が必要になることも。仮に週3回の人工透析を受けると、医療費は年480万円! 高額療養費制度を利用しても年40万円程度必要です。

 

当初の与党案どおりに決まったら大変でしたが、まずは体重コントロールが大事。私が2年前に行った“ゆるゆるダイエット”を紹介しましょう。ルールは3つです。

 

【1】夕食は20時まで、朝食は10時。食事の間隔を14時間以上あける“ミニ断食”は免疫力アップや老化予防にも効果があるそうです。

【2】食事は野菜中心、主食は玄米

【3】“なるべく”間食はしない

 

なにより無理は禁物です。食べたいときは食べ、食事量の制限もありません。それでも、私は始めて1カ月で2kg痩せました。患っていた腰痛も改善し、病院通いも卒業できました。血圧も正常化して病気のリスクが下がり、将来の医療費も節約できたと思います。

 

加えて私は晩酌をやめました。となると、酒代とおつまみ代で1日500円程度としても、1カ月で1万5千円、1年で18万円。チリツモの節約効果は大きいです。

 

貯金とともに“貯筋”も大事だそうです。いつもの1歩を10cm広げて大股で歩く。トイレのときにゆっくりしゃがむ。小さな運動習慣が健康維持の源です。

 

健康こそが最大の節約です。毎日の習慣を見直してみませんか。

経済ジャーナリスト

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