■被害に遭わないためには5つのポイントに注意!
当初、後払い決済の利用者は、Cさんのようなクレカが持てない若年層が多いと思われていた。だが協会によると、年代別では40代以上が半数以上、男女比では女性が75%を占める。
また、決済動向の調査を行うインフキュリオンによると、現金派を自認する人のほうが、キャッシュレス派より後払い決済の利用率が高いそう(2024年6月)。
「キャッシュレス決済に不慣れな人ほど、クレカの利用に不安が大きく、できれば使いたくない。そういう人が後払い決済を選んでいるのでしょう」(山本さん)
被害に遭わないためには、どうすればいいのだろう。
「たとえ小さな文字で書かれていても、次のポイントを確認してください。1.定期購入かなど料金の詳細、2.契約期間、3.購入回数、4.返品や解約の方法、5.定期解約条件の5つです」(武藤さん)
「支払い方法を確認してください。後払い決済だけでなく、クレカ決済も選択できる販売会社ならひとまず安心です」(山本さん)
先述のとおりクレカ会社は「割賦販売法」など法律の規制を受け、問題があれば行政指導を受けることもある。だからこそ、悪質な販売業者とは取引しない厳格な運営を行っている。
「協会が定めた自主ルールは、いちおう割賦販売法に準じています。ですが法律の規制を受けない後払い決済は、ルールがきちんと守られているかの検証ができません」(山本さん)
さらに協会に加盟するのは後払い決済事業者の主要7社で、サービス全体の7~8割のシェアだという。とすると、残り2~3割の後払い決済は、自主ルールを守っていない可能性もあるだろう。
恐ろしい被害事例はまだある。
Eさんは買った覚えのないワイドパンツの明細と4万5千円の請求書が、後払い決済事業者からメールで届いた。商品が届いたわけではないので、不正利用の迷惑メールだろうと放っておいたら、弁護士事務所から連絡がきたという。
「不正利用が疑われたら、まずは、家族に確認を。実は子どもが買っていたというケースが多いのです。
次に、だれも買っていないとわかったら、後払い決済事業者に連絡してください。連絡先がわからないなど困ったときは消費生活センター(188)に電話で相談してください」(山本さん)
以前は利用の上限を5万5千円とする後払い決済事業者が多かったが、最近は鍵の解錠サービスで10万円、自動車の教習料金の23万円など、後払い決済を使った多額の被害相談も散見される。
「初回限定」などと銘打つ大幅値引きや「今すぐ試す」といった決断を急かす販売は注意が必要だ。細かい文字までしっかり読んで、安全なショッピングを楽しもう。
画像ページ >【グラフあり】後払い決済サービスの相談数(他1枚)
