■元同級生との不倫はハードルが極端に低いという
いっぽうで、“同窓会不倫”という言葉があるほど、「同窓会は不倫の温床になりやすい」と語るのは男女問題に詳しいエトワール法律事務所の弁護士・近藤美香さんだ。
「昔、交際していた人と同窓会で再会し、そこから不倫が始まるというのは典型的な例です」
実際に、近藤さんには不倫の相談が多く寄せられるが、相手との出会いをたどっていくと同窓会だったケースは珍しくないという。
とくに50歳前後の女性は、同窓会をきっかけに不倫に陥る危険性があると近藤さんは注意を促す。
「今まで家族に尽くしてきたのに、子育ても一段落すると、誰も女性としては尊重してくれない状況に寂しさを感じている人も多いのではないでしょうか? そんな心に穴があいた状態のときに出席した同窓会で、昔、心を寄せていた人に優しくされたり、『奇麗になったね』なんて言われたら、舞い上がってしまうかもしれません」
おしゃれをして出かける機会も減った退屈な日常のなかで、久しぶりに会った人に新しい光を見いだすということがあるという。加えて、もともと同級生という関係性も不倫へ走るハードルを下げる。
「初対面の相手であれば、最初は警戒すると思いますが、同じ学校で過ごした仲間だと、最初から距離感も近いですし、安心感があります。親交を深めるのに時間はかかりません」
一度、走り出してしまうと歯止めが利かなくなるのが、不倫の怖いところだ。
「不貞行為、つまり肉体関係にならない限りは法律的な問題にはほぼなりません。ですが、配偶者に内緒で2人で会うような関係は、家族間の信頼問題になりうるので、避けたほうがいいと思います。会いたければ複数で会うこと。どうしても2人だけで会いたいなら、“自分は何を求めているんだろう”と冷静に考えて、少しでも危険因子があったら、やめておいたほうがいいでしょう」(近藤さん)
■再会のときめきが一転すべてを失う事態に……
不倫は、家族を傷つけるだけでなく、お金や住む家まですべてを失ってしまうことだってあると、近藤さんは忠告する。
「たとえば、自分が不倫したことで、相手側の離婚が成立し、その妻から訴えられるケースでは、だいたい200万円ほどの慰謝料が請求されることを覚悟してください。逆に、自分が夫から離婚を突きつけられたら、これから1人で食べていけるのか、経済的な問題もあります。それでも、不倫相手との関係を優先したいのか、そこは頭に入れておいたほうがいいです」
不倫は、一時のときめきをもたらしてくれるかもしれないが、その代償はあまりに大きい。
■これからの年末年始、同窓会の誘いも一気に増える
これからの年末年始、帰省のタイミングで開かれる同窓会は多い。とくに子育ても仕事も一段落した中高年は、同窓会のお誘いも急増する。参加するうえで注意すべきことはあるのだろうか?
「何十年も会ってない、接点がなかったのに突然、小規模の同窓会に誘われるというのは、ちょっと裏があるかもしれないと疑ったほうがいいかもしれません。そこで、お金や勧誘の話をされても、絶対に断ること。情に流されてしまうとトラブルに発展しやすいです。また、そういった人を呼び寄せないためにも、SNSなどに、家庭や仕事などの個人情報を載せないほうが安心です」(武井さん)
昔の仲間と再会できる同窓会は、新しい交流が生まれるきっかけにもなり生活を彩ってくれる。しかし、参加する際は、思わぬトラブルに巻き込まれないよう、根掘り葉掘り聞いてくる同級生には近づかないようにしよう。
