高い食材を買うしかないのなら、より美味で、長持ちするものを選びたい――。そんな願いをかなえるべく、スーパーの達人3人が、食材の目利きとワザを伝授する!
「まさか、じゃがいもや玉ねぎまでこんなに高騰するなんて。“ジャガタマニンジン”は大規模生産して貯蔵できるため、価格は安定だと信じていたのに……驚きです」
そう話すのは、スーパーやまとの元社長で店長の小林久さん。現在、じゃがいもや玉ねぎは夏の高温で小玉傾向となり、価格は平年の約1.6倍と大幅に上昇。にんじんやトマトも平年比を上回る高値が続いている(農林水産省の発表より、以下同)。
食品の断続的な値上げにいま必要なのは、おいしくてコスパの高い食材を見抜く力だ。そこで、少しでもお得に、よりおいしく、長持ちする良品を選ぶコツをスーパーの達人3人に教えてもらった。
「玉ねぎ、にんじんは根の部分がしっかり乾いていて、皮表面にツヤがあり、キズがないものを選ぶ。多少小ぶりなのは仕方ないこと。値下げを待つより割安な箱売りを狙って」(小林さん)
節約アドバイザーの和田由貴さんは、野菜が傷んでいないか、見た目や重さで品定めするという。
「トマトは、よく色づいてムラがなく、ヘタ部分が濃い緑色のもの。ずっしり重く、固くしまっているのもひとつの目安。キズがあると傷みやすいので避けるのが無難」
大手スーパー勤務20年、全国のスーパーを年間1千店舗以上訪問したショッピングアドバイザーの今野保さんは、高騰野菜は“冷凍野菜”に頼るべしと助言する。
「青果は工場で加工されると、販売価格が変わりません。いまなら冷凍玉ねぎスライスや冷凍パプリカを選ぶのも手です」
高値は肉も同じ。特に鶏肉は飼料の高騰などで値段が上がり、家計の味方であったはずの鶏むね肉でさえ、平均卸売価格は400円/kg超。過去最高値を記録した。
それなら少しでもおいしいお肉を選びたいが、ポイントは?
「肉全体に言えることは、赤身が鮮やかで、脂身の部分が白く黄みがかっていないこと。さらに、トレー内にたまった赤い液体は“ドリップ”と呼ばれ、時間の経過とともにうま味成分や栄養素が流れ出たもの。このドリップが少なく、加工日から日が浅いものを選ぶのが基本です」(小林さん)
とくにひき肉は傷みが早く、時間がたつほど色がくすみやすい。
「色が鮮やかでツヤがあり、べちゃっとしていない。しっかりと形があってふっくらしているのが新鮮です」(今野さん)
和田さんは、肉が安くなる特売日は“こま切れ肉”を狙うという。
「特売で高級肉を売るので、その切れ端が交ざっている確率が高いんです。肉を買う日は無料の牛脂をもらい、それで焼くと安い肉が上質なお肉のようになります」
さらに、値引きシール付きがあれば、それに手が伸びる主婦も多いが、特におすすめは……。
「高級国産牛などは、味付け肉に再加工して売り切ることが多く、値引き率も高いんです。単価の高い味付け肉にシールが貼ってあったら、お宝ですよ」(小林さん)
一方で、鮮魚売場の値引きシールは、選別が必要だという。
「魚は鮮度がおいしさに比例します。刺身は切り口がピンと立っているほど新鮮。ドリップが出ていれば、うま味が抜けていておいしくないので、値引きシールが貼ってあるものを買うくらいなら肉を買ったほうがコスパがよいです」(小林さん)
エビやホタテは冷凍を利用することも多いが「1月いっぱいは、おせち需要でたくさん仕入れた在庫が売れ残り、冷凍焼けしている可能性がある」と小林さん。冷凍であっても製造日から日が浅いものを選び、パッケージが霜で白くなっているものは避けよう。
いまが旬のブリは、平年より35%以上も値上がりしている。
「やはり狙うのは特売日。鮮魚コーナーのあるスーパーへ行けば、ブリカマやアラが格安で手に入る可能性大です」(和田さん)
気軽に買えていた卵も、1月の全国平均価格306円(サイズ混合10個入り)と過去最高価格が続き、手が出しづらくなっている。
「卵を大事に使うコツは、6個パックを選ぶこと。なんとなく見慣れた単位で買いがちですが、2人暮らしなら6個で意外と十分」(今野さん)
