《自分の名前を答えられない》“若年性認知症”の妻を持つ55歳夫がTikTokerに「わいの今の状態を見て、助かる命が絶対にある」
画像を見る かおりさんと真吾さん(写真:本人提供)

 

■「父さん、もうとっくに限界は超えとるよ」

 

「母さんはもともと温厚なんで、まぁ甘えてくるというか、娘みたいな感じですよ。でもこの頃、思春期の娘みたいに怒りっぽくなって、“嫌だ、嫌だ”みたいな感じで。これはちょっともう厳しいなと思って」

 

息子が孫を連れて帰省した日も、かおりさんにその症状が強く出ていた。

 

「せっかく来てくれているのに、母さんは無視。もうちょっと起きいやって言ってもやっぱり無視で、ベッドから起きあがってこない。それで母さんの肩をガッとしたら、怒ってガンガン叩かれて」

 

その時、息子に“自宅での介護に限界を感じている”と伝えたという。すると、

 

「“父さん、もうとっくに限界は超えとるよ”って言われて。それがすごく響いちゃって……。自分が相当追い込まれていることに気づかされたんです」

 

この一件で、過去に一度連絡したことがあった認知症専門グループホーム(共同生活介護施設)に再び電話をした真吾さん。

 

「“前回、空いとるって言われたけど、どうですか”って聞いたら、“ああ、もう埋まりました”って言われて。でも埋まってて、ちょっとホッとした」

 

だが、1週間後、施設から空きができたとの連絡が入る。

 

「施設の人からは“どうされますか、本当に腹積もりはできていますか”って言われました。色々考えたんだけど、“今回はキャンセルしときます”って言ったんです。それで電話を切った後、涙が止まらんなって……。そうしたら母さんが気づいて“どうしたん、父さん”って。“もう大丈夫よ”って母さんに言って……」

 

かおりさんの症状がもっと進行すれば、いずれ“その時”は訪れる――。取材時も「この話をするとダメで……」と真吾さんは涙を流した。

 

「母さんと一緒にいられると、安心できるから。もうちょっと、頑張ってみようかなと思っています」

 

65歳未満の若年性認知症の患者は、全国で約3万5000人いるとされている(東京都健康長寿医療センターの’20年のデータより)。

 

かおりさんに全自動洗濯機のボタンを押す順番を丁寧に教えたり、今日が何月何日何曜日なのかをクイズ形式で楽しく出題したり……。真吾さんは悩み、葛藤しながらもカメラの前では笑い、ありのままの二人を発信し続ける。

 

「わいのような人間でも頑張っとる。それを見て、今追い詰められている人が少しでも踏みとどまってくれればいい 」

 

暗闇にいる誰かに光を届けるために――。

 

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出典元:

WEB女性自身

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