「いくつになっても、やっぱり勝ちたい!」をスローガンに、高齢者たちが熱戦を繰り広げるeスポーツ大会がある。
大会の中心となっているのは、愛知・岐阜・三重の東海地方で18の介護施設を運営する「あみーご倶楽部」だ。参加者たちは、対戦型格闘ゲーム『鉄拳』で本気の勝負を繰り広げている。
なんと、参加者の最高齢は97歳!
大会はどのようにして始まり、参加した高齢者たちにはどのような変化をもたらしたのか。主催する一般社団法人ケアeスポーツ協会の理事で、「鉄拳プロプレイヤー浜ちゃん」としても活躍するプロゲーマーの浜進平さんはこう話す。
「あみーご倶楽部の運営会議で出た、『eスポーツってどう?』という、本当に軽い雑談から始まりました。まずはやってみようという精神があるので、2019年の冬に初めて大会を開催したんです」
とはいえ、オンライン対戦ゲームを一度も経験したことのない高齢者や、施設職員の挑戦するのは一筋縄ではいかなかった。
「最初は将棋ゲームをやってみようということになりました。ただ、参加者のほとんどがタブレットに触った経験すらなく、画面に対戦相手の顔が映るだけでも驚かれていました。画面の向こう側に、離れた場所にいる人がいるということも、なかなか伝わりにくかったですね(笑)」
高齢者がプレイしやすい環境を整えるため、運営側は試行錯誤を重ねた。
「対戦相手が目の前にいないことを理解してもらったり、“マイタッチペン”を用意したりしながら、高齢者の方でもプレイしやすい方法を手探りで見つけていきました。そこは大変でしたね」(浜さん、以下同)
こうして手探り状態で、オセロや将棋の大会を開催してきた。そんな大会に転機が訪れたのは、第9回のことだった。
「eスポーツを掲げるなら、格闘ゲームにも挑戦してみようということになり、エキシビションマッチとして『鉄拳』を取り入れました。すると、皆さんが僕たちの想像をはるかに超える上手さで戦ったんです」
派手なアクションと爽快感があって、見た目にもわかりやすい『鉄拳』は大いに盛り上がった。
「そこで第10回からは『鉄拳』をメインタイトルに変更し、対戦者がポーズを決めたサムネイルも作るようになりました。単なるレクリエーションではなく、“競技”だというイメージづくりが大切ですから」
