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「神経は、脳からの指令を全身に、また全身で得た情報を脳に伝える働きがあります。脳から体に『動けー!』と指令が出ても、神経が老化していると、体はスムーズには動きません。神経が“つまった”状態になってしまい、指令がうまく届かないからです。全身から得た情報も、脳まできちんと届かないので、物忘れや記憶力低下が進む。そして、認知症になってしまうんです」

 

そう話すのは、脳神経外科医の工藤千秋先生。都内にある「くどうちあき脳神経外科クリニック」院長で、これまで39万人を診てきた名医として知られている。工藤先生は、老化した神経を若返らせることこそが、健康につながると指摘。認知症予防をはじめ、体の不調を改善するための「神経クリーニング」というメンテナンス法をクリニックで実践している。

 

じつは普段の生活のなかでも、神経を若返らせることはできると工藤先生はいう。そこで工藤先生が、そんな「神経を若返らせる生活習慣」を教えてくれた。

 

【1】朝30秒の「歯茎磨き」

 

「歯茎には40カ所以上の神経のツボがあります。普通に歯を磨いた後、上の歯茎の左右と真ん中、下の歯茎の左右と真ん中、それぞれ約5秒ずつ、合計30秒ほど歯ブラシで軽く磨きます。デリケートな歯茎を傷つけないように、決して強くこすったりしないよう注意しましょう」

 

【2】お風呂で3点シャワー

 

「顔と手と足の3カ所は、神経が集中しているところ。強めの水圧で垂直に約20秒ずつシャワーを当てて、刺激しましょう。手は、手のひらから甲までまんべんなく。足は、足裏を集中的に当てましょう」

 

【3】トイレの中は「考える人」

 

「トイレで排便するときに、前傾姿勢で『考える人』のポーズを10秒とります。ポイントはしっかりと両足を床につけて、つま先が見えるまで前かがみの姿勢になること。次に5秒背中を伸ばしてしっかり息を吸い、もう一度10秒『考える人』ポーズを。背中の神経を刺激するだけでなく、大腸を活性化させ、便秘の解消にもつながります」

 

【4】家事は「かかと立ち」で

 

「包丁で野菜を切るときなど、キッチンでの作業中は、肩を丸め猫背になることが多いです。かかと立ちすることで、姿勢を正せるだけでなく、普段あまり伸ばさないふくらはぎのストレッチになります。ふくらはぎは下半身にたまった血液を心臓に送り返す、“第2の心臓”の役割を果たしています。かかと立ちは、ふくらはぎにつながる神経を刺激できます」

 

【5】夜は「3つの山」で眠る

 

「質のよい睡眠をとるために意識してほしいのが、首、腰、膝に山を作って寝ることです。首の山は、低めの枕を使って首がまっすぐに伸びた状態になるように。すると神経も痛まず睡眠も深くなります。高い枕はNGです!膝の下に座布団をたたんだもの、腰の下にはバスタオルを丸めたものを入れて、山をつくりましょう。無理な姿勢で寝ることなく、神経の流れもよくなります」

 

朝昼晩、絶えず神経を刺激して若返らせ、しっかりと認知症予防をしよう。

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