電気やガスは自由化で公共料金が下がるなか、水道だけは全国で値上げラッシュ。それも、20〜30%と値上げ幅が大きい地域も。’07年から水道事業の赤字が続く静岡県三島市は、老朽化対策と南海トラフ巨大地震などに備えた耐震化を進めるだけのコストの確保ができない。今年10月、35年ぶりに35%近く値上げする予定だ。さらに今年は空梅雨で猛暑続き。水不足は、今後の水道代にも影響を及ぼす可能性大だという。
家庭をじわりと圧迫する水道料金の値上げ。そこで今すぐできる節水アイデアを、ファイナンシャルプランナーの阿部亮子さんに教えてもらった。
「水のムダ遣いは見落としが結構あるので、コストカットの余地はたくさんあります。年間3万円減も不可能ではありません!」
まずは家庭での水の使われ方をチェックしてみるとーー。
「もっとも水を使っているのが全体の40%を占めるお風呂。次に多いのがトイレで、21%。そして食器洗いなど炊事に使われる分が18%、洗濯が15%と続きます。そのほかは6%ほどです」
バスタイムを意識することが、節水の第一歩。とくに夏場はシャワーの回数が増え、水道代が跳ね上がるので、ここを頑張れば節水効果大!(以下、4人家族の平均使用量をもとに1リットルあたり0.24円で計算。それぞれの項目で節水できる使用量を算出し節約額を計算している)
【1】「半身浴」は節約効果大
「肩までつからず、胸下までぬるま湯をためる『半身浴』は美容効果だけでなく節約効果も大。週2回実践するだけで、年間約920円の節約に」
【2】水が温水に変わるまでバケツにためる
シャワーを使うとき、お湯に変わるまで流しっぱなしにしている人も多いが「その水を風呂掃除に使えばムダがありません。30秒で年間約520円の節約に」。
【3】風呂の残り湯は洗濯に使い回す
「よくある方法ですが、残り湯を使うだけで、洗濯の水をまかなえます。年間7,780円が浮くのは大きい!」
【4】洗い物を洗濯機の八分目まで入れるのがトク
効率よく水が循環するのは、洗濯機が洗濯槽の八分目とか。「それ以上の量だと逆に水を多く使ってしまうので、洗濯物はまとめて洗いましょう」。さらに、すすぎ1回にすれば効果大で「年間約5,250円の節約ができます」。
【5】洗剤がほとんどいらない「アクリルたわし」を活用
「『アクリルたわし』は細い繊維が、汚れを取り込んで落とします。軽い汚れなら洗剤なしでもOK」
【6】流しっぱなしをやめて“ためすすぎ”をする
食器をすすぐときは、洗いおけに水をため、洗剤を流す。仕上げに流水でサッとすすぐ方法を。毎回やるのは少し大変だが「年間1万560円も節約できるんです」。
【7】ミスが少なくてすむ圧力鍋を活用しよう
圧力鍋をフル活用しているという阿部さん。水を使わないレシピも節水のコツで、「野菜から出る水分だけで調理ができて余分な水が不要になりますよ」。
【8】消音目的の2度流しは厳禁!
「流すのは、なるべく1回で。1年間で約700円のムダになっていますよ」
【9】歯みがきは水を流しっぱなしにしない
「歯を磨いているときに水の流しっぱなしをやめるだけで年間864円の節約に。すぐ見直せるので、実践を!」
【10】洗車はホースの流し洗いよりバケツで
ホースの流し洗いをやめてバケツを使えば、1回の洗車でふだんの3分の1の量ですむため「月2回の洗車なら年間約340円の節約!」。
家計をラクにする節水術を今日から実践してみよう。