「美しく、若々しく過ごすためには“血流”と“筋力”、そして“自律神経”の3つが重要です。ところが、加齢とともにそれぞれの機能が衰えてくるのが通常です。これら3つの“機能低下”をすぐに改善してくれるのがスクワットです。毎日続けることで10歳若返ることが可能なのです」
そう語るのは、本誌の人気連載「血流講座」でおなじみの順天堂大学医学部教授・小林弘幸先生。自律神経研究の権威である小林先生が、最強の健康法としてまとめた『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』(幻冬舎)がベストセラーになっている。今、最もアツい“小林流スクワット”の劇的な効果を聞いてみた。
「重力の影響で下半身には約7割の血液が集まっています。スクワットは、その血液を上半身にスムーズに押し上げ全身の血流を改善させるのです。肩こりや冷え、むくみ、肌荒れなどの解消だけでなく、近年明らかになった認知症のリスクを高める“脳の血流不足”にも効果があります。さらに、スクワットは、歩く動作に欠かせない『大腿四頭筋』や尿漏れを防ぐ『骨盤底筋群』など、下半身の筋肉が鍛えられます。ダイエット効果はもちろんのこと、筋肉量が増えることで、体内の糖が消費されやすくなるため、糖尿病の予防にもなるのです」(小林先生・以下同)
女性の場合、40歳を過ぎると、働きが鈍る自律神経。スクワットはどんな影響を与えるのだろうか。
「息切れするようなハードな運動をすると、たちまち自律神経が乱れてしまいます。その結果、血圧が上昇したり、自律神経と関係の深い免疫力が低下する逆効果も。私が推奨するハードではないスクワットでも、短時間で効果が得られるでしょう。血流が改善し、自律神経のバランスが整います。その作用で血流の流れがスムーズになり血圧が下がる効果があります。腸のぜん動運動が活発になり、便秘も解消。リラックスモードになるため、良質の睡眠が期待できるのです」
そんな“小林硫スクワット”のポイントは?
「腰を下げるときに口から息を吐き、上げるときに鼻から息を吸うこと。また腰を下げるのに4秒、上げるのに4秒が基本です。深くかがみすぎるとひざを痛める原因に。ひざを曲げる角度は120度程度でも十分な効果が得られます。また太ももに意識を集中させることも大切です。脳が意識した筋肉を実際に動かすことでより筋肉アップが期待できるのです」