「数字や比率というだけで身構える人は多いですが、覚えてしまえば本当にラクちんです。いちいちレシピを見ないで完ぺきな味付けができるようになるんですから」
そう語るのは料理家の行正り香さん。米国に留学していた大学時代にその素晴らしさに目覚めて以来、20年以上にわたって和食を作り続けてきた。が、人に教える機会が増えてから、和食には「適量」「適宜」という表現が多いことに気がつく。誰もがまねできるにはどうしたらいいか。その答えが調理法の公式化だった。
「一定のルールさえ頭に入れれば、和食は誰にでも、必ずおいしく作れることがわかったんです」
こうして導き出されたルールを一冊にまとめたのが『レシピのいらない和食の本』(講談社)だ。そんな、行正さんが導き出した超簡単な和食の「和え」公式を紹介!
【ごま和え=3:1:1】
片手ひとつかみの野菜(100〜120g)で、ごま大さじ3、しょうゆと砂糖各大さじ1。
【白和え=オール1】
豆腐カップ1(2/3丁/約200g)に対し、練り白ごま大さじ1、薄口しょうゆと砂糖各小さじ1、粗塩ひとつまみが目安。
【揚げびたし=オール1】
酢、しょうゆ、酒、砂糖、水、すべて1の配合。作りやすい分量は各カップ1/2。さっと煮立たせる。
【甘酢=1:1】
酢と砂糖は同量。2〜3人分なら、米酢と砂糖各大さじ4。
「無理して覚えなくても大丈夫(笑)。このルールを何回も声に出しながら作っていくうちに、イヤでも覚えてしまうはずです。基準が頭に入れば、自分好みの味もかんたんにアレンジできるようになりますよ」(行正さん)