稚魚が捕れず、国内養殖量は年々右肩下がり。ニホンウナギはレッドリスト入りで絶滅寸前!近年、価格高騰の波が激しいうなぎは庶民にとっては高嶺の花になりつつあった。が、今年は久しぶりに稚魚が豊漁、養殖業者にも明るい兆しが見えているという。そこで、3千円で食べられるお値打ち名店を、食べ歩きの達人・マッキー牧元さんが教えてくれました。
【安斎】東京都杉並区荻窪・「うな丼」2,900円
お重ではなく、うな丼ひと筋。その理由は、出来たて熱々を提供できるよう丼を温められるから。「炭火で焼き上げた、あめ色に輝いたうなぎはスッと皮まで切れる軟らかさ。ふわりと舌に乗って甘い脂とタレが絡み合って溶けていく」(牧元さん・以下同)
【入谷鬼子母神門前のだや】東京都台東区下谷・「岩塩ひつまぶし(小)」2,600円
女性に人気のひつまぶしは、うな重と違い関西風地焼き。さばいてから蒸さずに強火で一気にカリッと焼き上げる。「うなぎの酢〆うら梅造り、うなぎ蒲焼の天ぷら、うなぎとクリームチーズの酒盗和えなどの珍しい料理が楽しめるのも魅力です」
【やしま】東京都台東区小島・「鰻重(上)」2,900円(税込み)
注文が入ってからさばき、本焼きまでの工程を店主一人でこなす技は感動もの。「ふっくらとした身の厚いうなぎで、焦げひとつないあめ色の焼き色。おいしさを感じさせるタレは、やや甘めで香りもいい。
【阿み彦 北浜店】大阪府大阪市中央区北浜・「うなぎ丼(松)」2,800円(税込み)
関西ならではの、蒸さずともふんわり仕上げる“焼き”の技術にこだわり、伝統の味が受け継がれている。「創業360年以上、関西最古のうなぎ屋さん。関西風のパリッと香ばしく焼き上がったうなぎがおいしい」
【本家柴藤】大阪府大阪市中央区高麗橋・「大阪まむし(菊)」2,730円(税込み)
日々、微妙に異なるタレの味の変化にも注意を払う。焼きたてのうなぎ、炊きたてのご飯、受け継がれるタレのバランスは秀逸。「こちらも創業300年以上の老舗。焼きは軟らかめで、関西風の蒲焼きになじみのない関東人でも抵抗なくいただける」