”きんさん”を105歳で再び歩かせた「奇跡のトレーナー」の訓え

6月15日に政府が閣議決定した2012年版「高齢社会白書」によると、65歳以上の高齢者は過去最多の2千975万人となり総人口の23.3%に達したとのこと。このままいけば2060年には2.5人に1人が65歳以上の超高齢化社会の到来をも予測したが……。

「いくつになっても努力すれば筋肉はつけられますし、元気な体でいられますよ」と明るく語るのは、久野接骨院院長の久野信彦先生だ。久野先生は歩行困難になっていたあのきんさんを、105歳で再び歩かせた奇跡のトレーナーなのだ。

当時、高齢者への筋肉トレーニングはタブーとされていた。老人の痩せた筋肉は、下手に触ると修復できなくなると。「だからきんさんをトレーニングするのは奇抜で勇気のいることでした。ただ、方法さえ間違わなければ高齢者の筋肉トレーニングは可能であり、必要であるといつも思っていたのです」(久野先生)

毎日のトレーニングを始めて3カ月で、見た目にもわかるほど筋肉がついてきたという。「老筋力の大切さを実感させてくれたのはきんさんです」という久野先生に、きんさんが行った『ふくらはぎ&脚力』強化トレーニングを教えてもらった。”老筋力”を鍛えるのは、筋力の衰えを強く感じはじめる40〜50代ごろに始めたほうが、より効果的だという。

●用意するもの
バンダナ2枚、土や米など重りになるもの1kg×2。バンダナの真ん中に重りになるものを置き、上下に折りたたみ、両端を引き絞って足にくくりつける。市販のパワーリストでもOK。

【1】体の力を抜いて上半身をリラックス
うつ伏せになり、まくらに首全体をのせて、クッションをおなかの下に入れる。

【2】ふくらはぎの後ろの筋肉を強化
左右の足を交互に45度の高さまで上げ下げする。最初は左右30回からスタート。慣れたら回数を増やして、1日数百回を目指そう。45度以上上げると負荷がなくなり効果が小さくなるので注意。

心臓から送り出された血液を再び心臓に戻すとき、ふくらはぎの筋肉がポンプの役割をするという。簡単な運動なので、今から”老筋力”を鍛えて健康な老後を迎える準備を始めてみませんか!

 

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