ちぐはぐ投資で大損させる「危ないセールストーク」の手口
いま、銀行の窓口やダイレクトメールで自分に合わない金融商品を勧められ、損をする人が増えているという。年代や生活によっては一概に悪い商品とは言えないが……。
「セールストークに引かれてそれぞれのライフステージに合わない商品を、勧められるまま契約してしまうことが問題です」と、生活経済コンサルタントの北見久美子さん。乗ってはいけない、危ないセールストークを北見さんに指南してもらった。
●『普通預金のまま寝かせておくなんて、お金が泣きますよ』
一時払い終身保険のセールストーク。定期預金が満期になった高齢者に勧めるケースが多いようだ。
「普通預金で置いておくと利息は数百円。ですがこちらは数万円増えます、と現金で比較して見せます。悪い商品ではないのですが、通常6〜7年保有しなければ解約時に元本割れします。高齢の方には不向きです」(北見さん)
●『お父さんに何か合ったとき、教育費だけは確保してあげたいですよね』
学資保険のセールストーク。子育て中なら教育費だけは、という心理が働く。
「毎月ギリギリで預金もゼロで、資産は学資保険だけというのでは何かあったとき身動きが取れません。予定利率が低く、途中解約すると元本割れする商品が多いので要注意です」(北見さん)
●『超円高のいまがチャンス。為替差益も狙えます』
外貨建ての保険のセールストーク。教育費をもっと貯めたいという思いを突いてくるもの。
「『お子さんが大学に入るときに解約すれば学資保険より貯まります』と強調します。子育て世代が虎の子のお金を外貨建てにするのは危険です。今後さらに円高が進むことも、為替で大損する可能性もある。保険料で2万円払えるなら、定期預金など手堅い預け先のほうが安心です」(北見さん)
●『毎月、高い分配金がもらえるんですよ』
投資信託のセールストーク。いま苦情も多く金融庁から規制がかかりつつあるという。
「分配金は消費者から見ると増えたお金のようですが、中身をみると”タコ足配当”になっています。実際は運用状態が悪くて、資産からちぎって出しているという仕組みなのです」(北見さん)
くれぐれも、うますぎるトークには要注意だ。