「カーシェア」や「シェアハウス」など、モノやサービスなどを共有(シェア)する「シェアビジネス」が、かなり浸透してきた。これまでは、企業が提供し個人が利用するものがほとんどだったが、最近、提供者も利用者も個人の「シェアリングエコノミー」が注目されるように。企業がスマホアプリやインターネットサイトなどをつくり、個人を結びつける仲介役となっている。そんな「シェアリングエコノミー」について、経済ジャーナリストの荻原さんが解説してくれた。
■ブランドバッグが使い放題「ラクサス」
「ラクサス」は、月6,800円の定額で、ラクサス保有のブランドバッグが使い放題というサービスを行っています。旧来型のシェアビジネスです。
これを発展させて、昨年から、個人のブランドバッグを預かって会員に貸し出す「ラクサスX」というシェアリングエコノミーを始めました。
バッグの所有者がラクサスにバッグを預けると、アプリなどに、ラクサス保有のバッグと一緒に掲載されます。会員はその中から借りたいバッグを選びます。バッグが貸し出されたら、所有者に1日66円が支払われ、バッグ1つで1カ月最高2,000円になる計算です。
所有者が受け取るのは、最高でもレンタル料(月6,800円)の3分の1ほどですが、バッグの送料やメンテナンス費用、保険料などの経費はラクサスが負担します。
「押入れで眠っていたバッグで、お小遣い稼ぎができる」と喜ぶ声が聞かれます。ただ、預けたバッグはいつでも返却可能ですが、貸し出し中だと返却が遅くなることもあるようです。ご注意ください。
■着物レンタル「Wa Lend」
着物レンタルの「Wa Lend」も、会員の着物を預かり、貸し出すサービスを行っています。レンタル料は着物によりますが、所有者には料金の22%が支払われます。「デリケートな着物の保管を任せられる」こともメリットのようです。
これらは比較的高価なものなので、汚れや破損、紛失などの補償をよく確認しましょう。また、所有者が受け取るのは、預けた期間ではなく、貸し出された期間分の料金です。お間違いないように。
■個人宅での犬の預かりサービス「Dog Huggy」
もうひとつ、「Dog Huggy」は個人宅での犬の預かりサービスです。一般的なペットホテルは、預かった犬を1匹ずつケージと呼ばれるかごに入れますが、「Dog Huggy」はケージに入れません。犬を預かっている方が、自分の犬と遊ばせながら世話をすることが多いようです。
犬を預かるホストになるには、飼育の経験や環境などの審査があります。ホストと飼い主との事前面談も行う徹底ぶりで、幼い子を預かる保育ママのペットバージョンともいえる仕組みです。
預かりは数時間からお泊まりまで、料金はホストが指定します。1泊5,000円程度が中心で、そのうち70%がホストの収入になります。
こうしたサービスをうまく使えば、お小遣い稼ぎができそうです。ですが、インターネットだけで顔を合わせないビジネスは玉石混交ですから、信頼性をきちんと判断してから利用してくださいね。