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今年7月に起きた西日本豪雨は、15府県で220人以上の死亡者が出た大災害だった。また、観光面でも大きな損失があった。実際には豪雨被害をあまり受けなかった、宮島(広島県)や倉敷(岡山県)、道後温泉(愛媛県)といった地域でも、風評被害などで宿泊キャンセルが相次いでいる。その数は、広島、岡山、愛媛の3県で約35万人、86億円に上るといわれている。

 

そこで、観光庁は今月9日、「平成30年7月豪雨観光支援事業費補助金」を創設。被害の大きい11府県(岐阜、京都、兵庫、鳥取、島根、岡山、広島、山口、愛媛、高知、福岡)で、8月下旬から観光キャンペーンを行う。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。

 

中心となる“復興割引”は、宿泊費の補助です。11府県のうち2つ以上の府県をめぐり、2泊以上した旅行者を対象に、1人1泊あたりの宿泊費が、岡山と広島、愛媛の3県なら最大6,000円引き、それ以外なら最大4,000円引きです。

 

この補助金を利用したツアーは「豪雨復興キャンペーン」と名付けられ、8月下旬から発売される予定です。現地に行ってお金を使い、現地の産業を盛り上げることが、何よりの復興支援です。

 

’16年の熊本地震でも、政府の補助金を利用した「九州ふっこう割」で、目標の1.8倍となる約270万人が九州を訪れました。お得に旅行して、復興に協力できますから、ぜひとも、利用したいものです。

 

■自治体の“復興”宿泊キャンペーンも登場

 

観光庁の補助金には、ボランティア活動の支援も盛り込まれました。先の11府県でボランティア活動のため2泊以上した方には、宿泊料金を割り引きます。割引額は、岡山と広島、愛媛の3県では最大6,000円、それ以外の府県なら最大4,000円です。

 

災害から日がたつと、ボランティアがだんだん減っていきます。若い方、体力に自信がある方には、こうした割引を利用して、ボランティア活動を続けていただきたいと思います。

 

また、自治体独自の宿泊キャンペーンもあります。

 

岡山県は、国に先駆けて、県独自の宿泊クーポンを8月3日に発行しました。これが大好評で早々に完売したため、8月20日から第2弾を発行します。

 

第2弾のクーポンは、楽天トラベル、じゃらんnet、るるぶトラベル、近畿日本ツーリスト、日本旅行の5社から、計1万枚発行されます。県内で2人以上の宿泊費が1万円以上の場合、4,000円が引かれます。観光庁の豪雨復興キャンペーンとは併用できませんが、人気が高いので、早めにチェックしてください。

 

岡山県真庭市でも1人当たりの宿泊費が2,000円引きになる「真庭市宿泊割引キャンペーン」を8月10日から始めました。先の岡山県の宿泊クーポンと併用できますので、お得度は高いと思います。

 

さらに、JTBやじゃらんnet、楽天トラベルなど旅行会社が行うキャンペーンもあります。今秋は、被災地支援も兼ねて、お得な旅行を計画しませんか。

経済ジャーナリスト

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