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イタリアやスペイン産が有名なオリーブオイル。だが近年、その品質の高さで注目を集めているのが、小豆島をはじめとする香川県産のオリーブオイルだ。香川県農業試験場小豆オリーブ研究所の窪田健康所長は次のように語る。

 

「平成15年に小豆島がオリーブ振興特区に認定されたことも契機になりましたが、研究者魂とでもいいますか、所員が折に触れて世界じゅうの産地を訪れ、研究。上質なオリーブオイルをつくるには、栽培技術はもちろん、採油技術も重要です。その両面の育成に力を入れ、さらに世界では当たり前だった、人間の『鼻・舌・のど』の感覚によってオリーブオイルを評価する『官能評価』も取り入れました。歴史が浅いぶん、伝統にとらわれすぎることなく、国際基準の最高品質を自由に目指すことができたのがよかったのかな、と思います」(窪田さん)

 

その結果、オリーブオイルは権威ある国際コンテストでも次々と入賞するまでに。また、栽培は小豆島だけでなく県全体に広がり、現在、その国内シェアは90%以上を占める。’17年には国内初となる2つの新品種「香オリ3号」「香オリ5号」の登録申請が受理された。

 

「現在、苗木を増殖中なので市場に出回るのはまだ先のことですが、とても楽しみですね」(窪田さん)

 

オリーブの採油後の搾りかすは、これまで産業廃棄物として捨てられてきたが、近年、香川県では、畜産物・水産物の飼料として活用。これを与えて育てたのが「オリーブ牛」「オリーブ豚・夢豚」「オリーブ地鶏」で、うまみが増した肉質とさっぱりと甘い脂が特徴だ。また、「オリーブハマチ」もさっぱりとした味わいで評判が高い。

 

オリーブオイルには健康効果も。

 

「オリーブオイルは7割以上を占める成分がオレイン酸で、生活習慣病を予防する効果が期待できると話題になりました。抗酸化作用のあるポリフェノールが多く、さらには腸内環境を整えたり、代謝を促進したりと、魅力的な効果がたくさん。より多くの効果を期待するなら、良質なエクストラヴァージンオイルを選ぶことです」

 

そう話すのは管理栄養士の吉沼弓美子さん。

 

「腸の運動を促し、便秘を予防する作用が期待できるオレイン酸が豊富に含まれるオリーブオイルと、腸の善玉菌のエサになる乳酸菌たっぷりの発酵食品は、腸内環境を整える強力コンビ。便秘による肌荒れやストレスの緩和にもひと役かってくれそうです。また、納豆に含まれるメナキノンは、丈夫な骨づくりをバックアップする脂溶性ビタミン。オリーブオイルと一緒にとることで吸収率が上がります」(吉沼さん)

 

健康な毎日を送るためにも、国産オリーブオイルの実力を試してみよう。

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