画像を見る

最近はネット通販などの利用が増え、宅配便の取扱数も右肩上がり。’17年の宅配便は、約42億5,000万個もあり、前年から約6%増加している(’18年・国土交通省)。だが、荷物がなかなか来ずイライラしたことや、受け取りを忘れてしまったことがあるのでは? そこで受取人がいなくても、荷物を置いて配達完了などのサービスが登場。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。

 

郵便局は今月18日から、ゆうパックの受け取りが便利になる2つの新しいサービスを始めました。

 

1つ目は「eお届け通知」です。ゆうパックのお届け先電話番号と、LINEの登録電話番号が同じ方には、配達予定がLINEの通知メッセージで届きます。通知メッセージは、郵便局を友だち登録していなくても届くものです。

 

また、事前に「ゆうびんID」を登録しておくと、配達予定がメールでも送られてきます。

 

2つ目は「e受取チョイス」です。eお届け通知が届いたら、そこにあるリンクから配達時間や受取り場所を変更することができます。

 

そして、「置き配」も利用できるようになりました。置き配は、あらかじめ指定した置き場所に、受取人がいなくても、荷物を届けて配達完了とするもの。置き場所は、宅配ボックスや郵便受け、物置などのほか、玄関先も選べます。

 

宅配便を待つストレスや再配達を軽減するための置き配は画期的な試みです。ただ、盗難が心配。郵便局は万が一盗難にあっても、補償してくれません。

 

そこで注目されているのが物流系ITベンチャー企業のYper(イーパー)が提供する、置き配バッグ「OKIPPA(オキッパ)」です。

 

宅配便の受取人は、折りたためば13センチ四方になるバッグを玄関のドアノブなどにぶら下げ、専用ロックで固定します。宅配業者はバッグを広げて荷物を入れ、南京錠をかけたら、受取人のサインなしでも届けたことになります。

 

また、スマホアプリと連動していて、荷物が届いたらスマホに通知が届くようになっています。

 

OKIPPAは普通サイズの段ボールがすっぽり入る大きさで、撥水加工がしてあり多少の雨なら心配ありません。バッグは3,980円ですが、アプリから申し込めば5%引きになります。日本郵便のほか、ヤマト運輸、佐川急便、西濃運輸なども対応しています。

 

OKIPPAの長所は、宅配ボックスと違って、折りたためるバッグなので場所を取らないことです。いっぽうで、バッグだということが短所でもあります。いくら施錠しても、バッグを切り裂かれての盗難は防げませんし、ドアノブとつなぐワイヤも、ニッパーなどを使えば切られてしまうでしょう。

 

置き配は私たちの面倒も解消してくれますが、使い分けが必要です。日用品など高価でないものはOKIPPAなどの置き配でOK。ただし、高価なものは在宅時に対面で受け取りましょう。

 

再配達が増えると、宅配料金の引き上げにつながりかねず、利用者にもしわ寄せが来ます。新サービスも利用して、一度の配達で受け取れるよう注意しましょう。

経済ジャーナリスト

【関連画像】

関連カテゴリー: