人生100年時代、折り返し地点を過ぎた50代は今も恋愛適齢期!? この世代ならではの出会いや進め方、そして知っておきたい恋愛のオキテを現役・経験者の赤裸々な告白から探ります。
■50代の恋愛実例「高齢の親と同居、介護をしているのでこの先も一緒に暮らすことは考えていません。今のゆる〜い付き合いがちょうどいい」(R・Hさん/57歳/男女とも婚姻歴なし/今後も結婚の予定なし)
彼と再会したのは、なんと30年ぶり。といっても、お互い地元で就職した私たちは、系列会社の親睦会で数回顔を合わせた程度の間柄でした。その後、私は転職して上京し、38歳で自分の会社を立ち上げました。仕事がとにかく楽しくて忙しくて、恋愛や結婚は二の次という感じでしたね。
ところが2年前、両親が同時に体を壊し、父は施設へ、母は車いす生活となりました。悩んだ揚げ句、実家に戻ることに。会社も地元に移して心機一転、同業者が集う会に顔を出してみました。そこにいたのが彼。彼も同じく介護のための“戻り組”で、会社を辞めフリーで働いていたのです。思い出話から仕事、介護のことなど、不思議と話は尽きず、場を変えてふたりで会うようになりました。
ただし、彼はものすごーくシャイで受け身な性格。最初こそ「食事でも」と誘ってきたのは彼でしたが、その先はなんのアクションもなし。奥手だけれど、うそのない人柄に私はだんだんと好意を抱きつつあったので、思いきって自分から「私たち、このまま付き合ってみない?」と言ってしまいました。彼も「あ、うん」と。こうして、私に押し切られた形で(笑)お付き合いが始まったのです。
進展があったのは数カ月後、彼の京都出張に私もお供したとき。彼ったらホテルを2部屋予約したというんですよ。「同じ部屋でいいじゃん」と、ひと部屋キャンセルしてもらいました。
以来、本当にゆる〜い感じで、現状維持を続けています。地元が近くといっても電車で1時間半の距離なので、デートは2週間に1度のペースで、たまに旅行に出かけたりするくらい。この年だから親にとがめられることもなく、自分たちのペースで付き合える今のこの関係が気に入っています。
若いころはグイグイ押してくるタイプが好きでしたが、今になって、当時は物足りなかった“草食系”の魅力に開眼しました(笑)。私自身も「男はこうあるべき」とか、「彼氏ならこうしてほしい」といった思い込みや要求もなくなり、相手に多くを求めなくなりました。お互い価値観ができあがっている年齢なので、相手を変えようとも思いません。アドバイスはしても、基本的には相手の生き方を尊重しています。
今は状況的に結婚は考えていません。ただ、私が飛び込んでいけば彼は受け止めてくれるだろう、という漠然とした信頼感はあります。だからこそ、恋人と友人の中間のようなこの心地よい関係を大切にしていきたいですね。