多くの人が日ごろからどうにかしたいと思っている浪費グセ。ついついやってしまっているムダ使いは、あなたの“心のクセ”が原因だという。
「自分の“心のクセ”を知ったうえで、それに応じた対策を心がけるだけでも効果が出てきます。大切なのは、いきなり詳細な家計簿をつけたりしないこと。特に、頑張って節約をしているのに、ストレスから爆買いに走ってしまう『ごほうび散財』や、昔から計画を立てて実行するのが面倒で、お年玉やお小遣いもすぐに使い切ってしまう『なりゆき任せ散財』タイプに多いのが、家計簿をきっちりつけようとするあまり、お金への苦手意識がかえって大きくなってしまうケース。まずはお金の流れを大まかに把握することから始めてみましょう」
そう語るのは、心理カウンセラーの根本裕幸さん。染みついた散財習慣を改めるには、“心の準備”から取り掛かると、お金に対するマインドに少しずつ変化が生まれてくるそう。そこで、次の「お金のイメージを改める下準備」を。
【お金が貯まらない“クセ”と向き合う】
ネット通販やふらっと立ち寄りついでの買い物、人気商品に手が出るなど、自分の散財消費行動を知る。
【お金の使い道をまずはざっくりと見直す】
家計簿を細かくきっちりつけようとすると、お金や節約への苦手意識だけが大きくなってしまう。
【完璧主義は捨てる】
「1円の誤差もないように!」などとやりすぎると、プレッシャーがかかり三日坊主になりがち。
【お金のイメージをポジティブに変える】
「不安」などお金に抱くマイナスのイメージを前向きなものに置き変えると、お金を大事に扱えるようになる。
【お金を大切に扱う】
お財布の中のレシートや有効期限を過ぎたクーポンなどを一掃して、お札の向きはきちんとそろえてみよう。
いつも他人からよく思われたいという気持ちが強く、SNSで《いいね!》がもらえることに喜びを感じる『見えはり散財』の人は、ムリな目標を立てずに、自分の散財パターンを知ることから着手。ネット通販やコンビニ、ドラッグストアのついで買い、人気ランキングなどの商品に目がとまったら、「ちょっと待って」「今は必要ないかも」といったん立ち止まることが大事。
「習い事が大好きだが、長続きしない『自分探し散財』や、“将来の備え”に必要以上にお金を費やしてしまいがちな『転ばぬ先の杖散財』タイプの人は、目標を完璧にクリアしなければと自分にプレッシャーを与えてしまいがち。それがストレスにつながってしまいます。『まあいいや』と思うくらいがちょうどいいのです」(根本さん・以下同)
また「店員さんに勧められた商品を買ったらダメ」などと、ダメ項目を設けすぎることも、お金に対してネガティブな印象を募らせてしまうので逆効果。そんなときは、お金に対するイメージをノートに書き出していくと、ネガティブな印象をポジティブに変換するきっかけにできるそうだ。
「一度、1万円札を細部まで見つめてみましょう。それから、お金に対する印象を思いつくまま書いていきます。たとえば『老後の不安』『面倒』などのイメージを持っていると、お金のことについて考える際にマイナスの心理が働いてきます。お金が貯まらない背景には、こうした心理も影響しているのです。『お金は生活を豊かにしてくれる』『夢をかなえてくれる』と思えるようになると、愛着がわき、大切に扱おうというポジティブな気持ちに変化していきます」
そうなってくると、財布の中のお札の向きをそろえる、有効期限が切れたクーポン券などを捨てるなど、お金の管理も丁寧に変化するのだという。根本さんがおススメする下準備のうち、自分に足りないと思うものから、肩に力を入れずに取り組んでみよう。