「受験勉強に励む子どもから最近、『大粒ラムネを買い置きしておいて』とリクエストがあって。私も何十年かぶりにつまんでみると、少し元気になった気がして、そのあとの家事もはかどったんです。以来よく食べるようになりました」(50代・主婦)
ラムネの瓶を模したパッケージでおなじみの「森永ラムネ」を買った覚えのある人は多いだろう。いま、このラムネが、姉妹商品で粒が通常よりも1.5倍大きい「大粒ラムネ」とともに大ヒットしているという。
「ラムネ部門の売り上げは’15年4月から約3倍になりました。また『大粒ラムネ』は発売から2年たっていませんが、売上額はロングセラーの『森永ラムネ』と肩を並べています」(森永製菓・広報担当)
きっかけは「頭がシャキッとする」「疲れたときに食べると元気になる」など、SNSで広がった口コミ。受験生のあいだで話題を呼び、瞬く間に人気商品となった。
著名人のなかにもファンはいるようで、将棋の藤井聡太七段(17)が対局中、「大粒ラムネ」の袋を手元に置いているのもテレビで中継されている。
受験生から棋士まで愛用するラムネ。人気の秘密はその原料にあるという。
「当社のラムネは’73年の発売当初からラムネ飲料に似た爽快感がえられるという理由で“ぶどう糖”を原料にしています。発売中の商品も原料の90%がぶどう糖です」(前出・広報担当)
そして、このぶどう糖が「脳の栄養になる」とのことで、勉強や仕事に集中したい人たちのあいだではやりだしたという。
でも、実際、ぶどう糖はどれだけ“脳の栄養”になるのか。医学博士で神経内科が専門の米山公啓先生が解説してくれた。
「脳がエネルギー源として利用できるのはぶどう糖だけ。不足すれば、脳の細胞は、活発に情報交換をすることができず、脳の働きが低下してしまいます。ふだんの食事では、ごはんやパンに含まれるでんぷんが分解されることでぶどう糖が作られ、体に吸収されます。一方、このラムネはぶどう糖90%配合。分解の手間がないので、ごはんよりも早くぶどう糖を吸収できるのです。これが“脳の栄養”として注目された理由でしょう」
ラムネに含まれるぶどう糖は、確かに“脳の栄養”となるようだ。米山先生はラムネの効果的な食べ方も教えてくれた。
「人の集中力は1時間ほどしか持ちません。ですので、1時間に1度、休憩をとりながら4〜5粒のラムネを食べるのが、ちょうどいいでしょう。一度に大量に摂取すると、血糖値が急激に上がる可能性があるので、食べすぎには注意してください」
ぶどう糖90%配合の「大粒ラムネ」で本当に集中力は上がるのか。
そこで、アラフィフ記者と新人編集者が100マス計算を使ってチャレンジ。ラムネを食べないで計算したときと、ラムネを5粒食べて30分後に計算したときの、解くのにかかった時間を比べてみた。
結果は、アラフィフ記者がラムネをつまむと、計算時間は42秒短縮し、計算速度が35%アップ。新人編集者も9秒短縮した。「大粒ラムネ」は見事に脳のエネルギーになったようだ。
家事や仕事で疲れたら、ラムネでリセットするのもいいかも!
「女性自身」2020年1月21日号 掲載