「医療費は、手術や入院を伴う病気にばかり目が行きがちですが、1回の医療費が安価であっても、20年、30年と長期間治療を受け続けることの多い生活習慣病のほうが、最終的には高額になるケースがあるのです」
こう語るのは、新宿・立川・川崎に展開する駅ナカ診療所「ナビタスクリニック」理事長で、医師の久住英二さんだ。そこで女性の更年期特有の病気の医療費が、どのくらいになるのかを算出してみた。
■更年期障害(50~59歳)
閉経で女性ホルモンのバランスが乱れ、自律神経の失調に苦しむ50代の女性は多い。更年期障害の治療はホルモン補充療法がメイン。
薬代(メノエイドコンビパッチ・1週間775.2円〈2枚〉)・1年=3万7,209円
調剤費(薬剤1種類800円〈1カ月〉)・1年=9,600円
診療費(1,400円〈1カ月〉)・1年=1万6,800円
1年のトータル医療費=6万3,609円
50歳から59歳までの負担額=19万820円
■更年期によるうつ(50~59歳)
更年期障害に起因するうつは「不安感を軽減する精神安定剤ではなく、気持ちを明るくする抗うつ剤を処方した場合で計算」。
薬代(パキシル・1日78.8円)・1年=2万8,762円
調剤費(薬剤1種類800円〈1カ月〉)・1年=9,600円
診療費(4,700円〈1カ月〉)・1年=5万6,400円
1年のトータル医療費=9万4,762円
50歳から59歳までの負担額=28万4,280円
「身近な病気にいくらかかるのかを知っておき、健康に留意すれば、将来的に病気や家計の不安を軽減できるはずです」(久住さん)
「女性自身」2020年1月28日号 掲載