毎年のように「今年は貯金を頑張るぞ!」と思い立つものの、これまた毎年のように、気がつけば「三日坊主」に……。
そこで今回、家計再生の2人のプロに、1年間を通じて100万円貯蓄するためのポイントを教えてもらった。1人目は「やみくもに節約するのではなく、今のお金の流れを知って、整え直すことが大切」と語る、家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さん。そして2人目は、同じくファイナンシャルプランナーの山口京子さん。
ひと言で「100万円を貯める」といっても、できるのは「支出を減らすこと(=守りの貯蓄)」と、「今あるお金をフル活用すること(=攻めの貯蓄)」の2つだけ。「守りの貯蓄」のポイントとして横山さんが挙げるのは、まずはお金の使い道を把握することだ。
「今、自分がどれだけお金を使っているのか、お金の流れを知ったうえで、生活に必要な『消費』、無駄遣いの『浪費』、将来につながる『投資』の3つのモノサシでお金の使い方を振り返ります。そしてお金の“自分軸”を形成することができれば、1年間で100万円を貯めることも夢ではありません」
いっぽう、山口さんはすでにある貯蓄の一部を投資に回すという方法をオススメしている。
「株式投資はハードルが高いように思われがちですが、じつは10万円台で株主優待の権利を得られる企業の株も。食事券や化粧品などの優待が得られる企業を選べば、その分の支出が抑えられます」
こうして聞いていくと、上手に貯蓄の「攻守」を組み合わせることで、たしかに「100万円」が見えてくるような気が……。ただし、貯蓄には気をつけなければならないポイントがあるという。貯蓄にまつわる「落とし穴」にハマらないためのキーワードは、「無理なく」「無駄なく」「ムラなく」の3つだ。
「せっかくコツコツお金を貯めていても、反動で衝動買いをしては意味がありません。そのためにも、お金を貯める目的を明確にしたほうがいいでしょう」と指摘するのは山口さん。自身も「LINEスマート投資」で“ご褒美投資”をしているという。
最低500円からの「ワンコイン投資」もできる「LINEスマート投資」だが、山口さんは毎週1万円ずつ投資をして、30万円程度貯まったら、自分へのご褒美としてそのお金の一部で海外旅行に出かける予定だという。
「老後の不安から貯蓄にはげむ人も多いと思いますが、まずは老後にいくら足りないのかの把握が必要です。やみくもに貯金するのではなく、『ねんきん定期便』で受け取れる年金を確認し、月々の支出と突き合わせて、足りなくなる額を算出しましょう。そうすれば、生活費が1カ月で5万円足りなくなる人は、1年分で60万円、20年分で1,200万円を貯めるというように金額の目標が定まってきます」(山口さん)
先の見えない我慢は、お金以上にストレスをためてしまい、いつか大きな反動につながってしまいかねない。
家計を預かる主婦が必死になって節約をしているいっぽうで、ほかの家族が「我関せず」という家庭も多いはず。
「大きな支出については、必ず家族で話し合いを。たとえば海外旅行に行きたいなら、週末の外食を1回控えるなど、家族共通の目標を持つと、効率よくお金を貯めることができます」(横山さん)
また、子どもの教育費を必要以上にかけすぎていないかも、きちんと検討したいところ。
「将来の進路だけでなく、塾や『習い事』についても本当に必要なのか。『友達がやっているから』と始めた習い事は、長続きしないことが多いので、じっくり話し合って決めたほうがいいでしょう」(横山さん)
「女性自身」2020年1月28日号 掲載