さまざまな場所で寒暖差が大きくなる冬。血圧が上下しやすくなり、突然死のリスクが高まります。話題の小林式「グーパー体操」を朝から行って血圧を安定させようーー。
「血圧が急激に上がる“早朝高血圧”は、脳卒中や心筋梗塞などの突然死のリスクを高めます。冬はとくに布団の中と外の寒暖差が大きいですし、自律神経の乱れなど、さまざまな要因が重なると、血圧が正常な人でも早朝高血圧になりやすいので要注意です」
こう語るのは、本誌の人気連載「血流講座」でおなじみの順天堂大学医学部の小林弘幸先生。誰でもどこでもできて、健康効果が高いエクササイズが満載の先生の新著『死ぬまでボケないグーパー体操』(光文社)が好評だ。
小林先生は、真冬の突然死を防ぐには、このグーパー体操が最高のエクササイズだと言う。
「朝の血圧の急上昇を防ぐには、血管のしなやかさを保つ必要があります。ギュッと握ってパッと開くグーパー体操をすることで、毛細血管が刺激され、収縮と弛緩が繰り返されます。体のすみずみまでポンプ機能が働き、血流がよくなることで血管が若返り、血圧が安定していくのです」
そんな、早朝高血圧を抑えられる「グーパー体操」のやり方は次のとおりだ。
【朝の全身のばしグーパー体操】血流改善効果がものすごい!
布団であおむけになり、頭上にのばした両方の手首を交差させながらグーパーをゆっくり繰り返す。同時に足先を手前に引き、足首を手前に折り「グー」、足首を前へのばし「パー」をする足のグーパーを繰り返す。これを手足10回行う。手足の伸縮を繰り返すことで、血流改善効果が大きい。
【朝日を浴びながら「基本のグーパー体操」】セロトニンが自律神経のバランスを整える
起床したら、カーテンを開けて太陽の光を浴びながら両手を耳の高さまで上げて1分程度、グーパーを繰り返します。グーのときは、手のひらを指先で軽くたたきながら、光をつかむようにギュッと握ること(親指を出して握る。中に入れると自律神経が乱れる)。パーのときは、手のひら全体で光を受けとめるように、指を大きく広げる。幸せホルモン「セロトニン」が分泌され、自律神経のバランスが整う。
【「顔のグーパー体操」】脳が刺激され、血流アップ!
鼻から息を吸いながら、眉間を中心に目と眉を寄せる。鼻が上に引っぱられるイメージで5秒間キープ。その後、口から息を吐きながらおでこを一気に左右に広げるイメージで目を開く。3〜5回。表情筋を動かすことで自律神経が整い、血流アップ効果が。
【瞑想グーパー】1日の血圧を安定させる
朝、出かける直前に、椅子に座り背筋をのばして胸を大きく張る。目を閉じて、両手を胸の前でパーにして合わせる。3〜4秒かけてゆっくり鼻から息を吸う。その後、両手を軽く握ったグーにして、6〜8秒かけて口から息を吐く。これを10回繰り返す。気持ちが落ち着き、日中も自律神経のバランスが整い、血圧も安定する。
「朝日を浴びながらグーパー体操をすることで、自律神経のバランスが整い、幸せホルモン『セロトニン』が多く分泌されます。セロトニンは腸の働きをアップさせ、全身の血流を改善。深い呼吸は、自律神経のバランスを整え、血管をしなやかにします」(小林先生)
「女性自身」2020年2月4日号 掲載
たちまち増刷! 好評発売中
『寝たきりでもできる! 死ぬまでボケない 小林式グーパー体操』
著者:小林弘幸(順天堂大学医学部教授)
価格:1,200円(+税)
出版:光文社
https://www.amazon.co.jp/dp/4334951279/