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「最近、『新型コロナウイルス感染症オンライン相談』を開いたのですが、数日にわたり微熱が続く医療関係者や、2週間ほどせきが続く患者さんなどから問い合わせがありました」

 

こう語るのは「ナビタスクリニック」の理事長で内科医の久住英二さん。同クリニックでは1件につき約5分(自由診療3,000円)のオンライン相談を始めたが、毎回、所定時間をオーバーするという。

 

「相談を受けていくなかで感じるのは、全国的に小中高が休校になるなど“外出禁止ムード”が漂ういま、みなさんが、日々をどう過ごすかで多くの疑問や不安を抱えているということです」

 

感染リスクを下げるには一体どこまで気をつけないといけないのかーー。誰もが抱える生活上の“不安”を久住さんと米国国立衛生研究所の病理医・峰宗太郎さんが解決してくれた。

 

【日常の不安1】

花粉症がつらく、窓をあまり開けたくないのですが、予防のためにどれくらいの頻度で窓を開ければいいですか

 

「同じ空間に感染者がいなければ必要ありません。感染リスクを減らすなら、30分か1時間に1回は換気をしたいです。飛沫は目に見えるものばかりではありません。会話をしていて相手の口のにおいを感じれば、その段階で、だいぶ相手の飛沫を取り込んでいることになります。話すときは適度に距離をとることも意識してみてください」(久住さん)

 

【日常の不安2】

あまり出歩きたくないので、宅配便や出前を利用しているのですが、品物にウイルスがついていないか心配です

 

「似た考えで、流行している中国や韓国からの配達物を気にしている人がいますが、商品の表面にウイルスがついていて、それが舞い上がって感染することはほとんど考えられません。ただ、出前や宅配物に関しても接触感染の可能性はゼロではないので、不安なら器や商品を除菌シートなどで一拭きしてください」(峰さん)

 

【日常の不安3】

70代の母が外出のときにマスクをしません。高齢者は重症化リスクが高いので心配です

 

「まず知ってほしいのが、高齢者が新型コロナウイルスに感染すると、死に直結するというのは誤解だということ。高齢者でも、感染した人のうち人工呼吸器などをつけるほど重症化するのは現在わかっている範囲で6%で、死に至るのは3%前後。この数字は感染者の全貌が明らかになると下がります。ほとんど軽症で済んでいるんです。散歩や近所の買い物くらいなら、マスクは必要ありません。密室での濃厚接触を避けましょう。高齢者はわずか1〜2週間でも、家の中に閉じこもって体を動かさないでいると、足腰が弱くなり転倒のリスクが高まります。外出を制限してストレスがたまれば、高血圧が悪化することもある。なので、適度に外出したほうがよいでしょう」(久住さん)

 

【日常の不安4】

糖尿病を患う父の処方薬がそろそろ底をつきます。ただ、病院に連れていくと新型コロナに感染しそうで怖いです

 

「厚労省は、慢性疾患などで処方薬が必要な場合、電話などを用いた診察で、薬局に処方箋を送付し、患者さんが病院に行かなくても薬を受け取れるようにする指針を出しています。まずは電話でかかりつけ医に相談してみてください。薬をもらうときは3カ月分などいつもよりまとまった量を処方してもらえないかも聞きましょう。この時期、病院に行く回数を減らすことは重要ですから。風邪や花粉症など必ずしも病院に行く必要のない場合は、積極的に受診せず、市販薬で間に合わせても、感染のリスクを下げられるでしょう」(峰さん)

 

終息の見通しが立たず、今の生活がいつまで続くかわからない。だからこそ、感染リスクを下げると同時にストレスをためずに続けられる生活も心がけたい。

 

「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載

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