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「ビタミン、ミネラル、食物繊維など、さまざまな栄養成分が含まれている野菜が体によいものであることはみなさんわかっていると思いますが、その栄養成分を生かしきる方法までは十分に知られていないのではないでしょうか」

 

こう話すのは、女子栄養大学名誉教授の吉田企世子先生だ。野菜ひとつとっても、保存方法や調理方法、ほかの食材との組み合わせなどによって、取ることのできる栄養成分の量は異なってくる。

 

「たとえば、にんじんに油を使って火を通すと、β-カロテンの摂取量が生で食べたときの約1.4倍程度になります。ほかにも、野菜を切るタイミングやゆでる時間なども栄養摂取量に関係しています。また、野菜の皮の部分にはポリフェノールやカロテノイドなどの機能性成分が含まれているものが多いため、皮をむかずに丸ごと食べたほうが効率よく栄養が取れるものがありますし、保存法によっても栄養が持続する期間が異なります」(吉田先生・以下同)

 

本来摂取できるはずの栄養成分をムダにしてしまう、食材の“栄養ロス”は避けたいところだ。特に新型コロナウイルス感染拡大の影響で免疫力アップが欠かせないとされるいま、野菜から摂取できるビタミン、ミネラルといった栄養成分は大いに活用したい。

 

そこで今回、“栄養ロス”にまつわる知識を2択クイズ形式で出題。吉田先生に解説してもらった。

 

【Q1】アスパラガスを切るタイミングは?

ゆでる前 or ゆでた後

 

正解は、ゆでた後。アスパラガスにはビタミンA、B1、B2、C、K、葉酸などのビタミン類が含まれている。なかでも赤血球の生成を助ける葉酸が突出。ゆでる前に切ると、断面から栄養成分が流れ出てしまうため、ゆでてから切るようにしよう。

 

【Q2】トマトを保存するのに適した向きは?

ヘタを下にする or ヘタを上にする

 

正解は、ヘタを下にする。トマトの水分はヘタの部分から蒸発する。ヘタがしおれるのは鮮度低下のサイン。このときビタミンやカリウムも減少する。トマト同士がくっつくと傷みやすくなるので、少し離してヘタを下にして保存するほうが鮮度を保てる。

 

【Q3】栄養が長持ちするピーマンの色は?

赤 or 緑

 

正解は、赤。ピーマンにはビタミンCが豊富だが、色によってその含有量が異なる。赤ピーマン(パプリカ)は緑色の倍以上のビタミンCが含まれている。肉厚で長期間の保存がきくため、ビタミンCだけでなくビタミンA、Eの栄養成分も長持ちする。

 

【Q4】大根おろしにするのに適しているのはどちらの部分?

上のほう or 下のほう

 

正解は、下のほう。大根にはビタミンC、カリウムといった栄養成分のほか、でんぷんの消化を促進してくれる消化酵素のアミラーゼが含まれる。アミラーゼが多く含まれる下の部分のほうが大根おろしには適している。上のほうは煮物などに使おう。

 

今年の夏は野菜が高騰していることもあり、できるだけ野菜はムダにしたくない。

 

「スーパーで1円でも安い食材を買おうとはしても、見えない栄養成分の変動には気がつかない人も多いでしょう。でも、上手に野菜を使うことで、ムダなく最大限に栄養成分を引き出すことにつながりますよ」

 

クイズを参考に、いつもの野菜の扱い方を見直すヒントにしてみよう!

 

「女性自身」2020年9月8日 掲載

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