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「50億円以上稼いだ主婦発明家をテレビで見ていたとき、“私も自分で考えた掃除グッズを商品化すれば儲かるかも”と、そのアイデアを会社に売り込みました。そして商品化されたのが、掃除機ノズルに取り付ける『おそうじペン先すーぴぃ』。1,000円前後で販売し14万個売れたので、総売り上げは1億円です」

 

そう語るのは、数々の発明品を生み出しているカリスマ主婦発明家の松本奈緒美さん(53)。「自身のアイデアを商品化したい」という個人や企業からの相談に応える株式会社発明ラボックスの代表取締役も務めている。

 

「発明品第1号であるペン先すーぴぃは、『掃除機をかけながら、拭き掃除ができたら楽なのになぁ』という考えから生まれました。はじめは、家にあったお菓子の空き箱などを利用して作ったのを覚えています」

 

ただ、商品化には5年の歳月がかかったそう。いまでは環境問題の観点から敬遠されつつある使い捨てタイプを70社に売り込んだものの、すべての企業でボツ。

 

そこで、どんな掃除機ノズルにもフィットする洗濯可能なタイプにチェンジ。素材を見直し、会社の意向を聞きながら形もよりシンプルに整えたことで、商品化にこぎつけたという。それ以来、松本さんのアイデア商品は、立て続けにヒットを飛ばしている。

 

「花粉症の時期にティッシュボックスを持ち歩きたくて、布製の専用バッグ『ぺちゃんこティッシュバッグ』を考えました。これは、子育て中のママさんや介護関係者の方から大好評でしたね。『しゃかしゃかモップケース』は、お菓子箱の仕切りケースを見て思いつきました。“お金をかけずに発明する”がモットーなので、家にある空き箱や余った布などをよく利用しています」

 

日常での“面倒ごと”に向き合い続けているからこそ、発明家に向いていると松本さん。

 

「よく『アイデアなんて出尽くしたよね』と言われますが、そんなことはありません。たとえば、少し前まで便利な掃除道具といえば掃除機でしたが、いまでは全自動ロボット掃除機が発売されています。しかし新しい商品は改善する余地が多く、じっさい掃除ロボットは部屋の隅や床に物があるとその奥を掃除できません。では、どう改良すればよいのか? その考えが新しい商品を生むのです」

 

日ごろの家事をどうしたら楽にできるか……家にいる時間が多いいま、そんなことを考えながら過ごすことが“大金を生む”きっかけになるかも!

 

「女性自身」2021年2月16日号 掲載

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