長引くコロナ禍のストレスや運動不足により、“疲労感”を覚える人が増えている。さらにはこの先、季節性の疲労も合わさる可能性があるというから、今から対策が必要だ。薬膳とヨガの講師である石原せいこさんはこう語る。
「梅雨に入って湿度が高くなると、体のめぐりが悪くなり、体力を養うための消化力、つまり胃腸機能が弱まることが原因です」
また、内科医の石原新菜先生も同様に話し、回復のカギは消化力、そして睡眠の改善にあるという。
「人間は寝ている間に、体の修復を促すホルモンが分泌されますから、その時間を有効に使うことが重要です。そのうえで、必要な栄養を効率よくとり入れるためには消化力が大切。胃腸をいかにケアできるかにかかっています」
安眠や胃腸活性化には、やはり日々の食事やちょっとした習慣に尽きる。ただし、「体にいいはず!」と思いがちな食材や行動に勘違いがひそんでいるので、2択クイズ形式で楽しみながら覚えておこう。 “疲労回復”するには次のどっちが正解?
【Q1】安静にする or 体を動かす
正解は体を動かす。「体力を温存するよりも、疲れているときこそ体を動かして血液循環を促し、代謝を上げて疲労物質を流すほうが効果的です。運動による心地よい疲労は、睡眠を深める結果にも。ただし、ハードな運動は逆効果なので、軽いジョギングなどの有酸素運動にして」(新菜先生)
【Q2】癒し系入浴剤 or 発汗系入浴剤
正解は癒し系入浴剤。「疲労回復にも安眠にも、入浴は必須。40度程度の湯にゆっくりつかるのがベストです。ただし、発汗系の入浴剤で強制的に汗を出すのは、交感神経が刺激されてアクティブモードになり、安眠を妨害することに」(新菜先生)
また、せいこさんによると、足湯もおすすめだそう。
【Q3】温泉浴 or 海水浴
正解は海水浴。「良質な睡眠には、適度に太陽を浴びることが必要。また、海水には自然治癒力を増し、疲労回復を促す“タラソテラピー効果”も期待できます。くれぐれも砂浜ではなく海中へ。温泉も気持ちいいですが、成分によってはかえって疲労を増幅させる場合があります」(新菜先生)
【Q4】カーテンを閉めて寝る or カーテンを開けて寝る
正解はカーテンを開けて寝る。「朝日を浴びると安眠に必要なメラトニンがしっかり分泌され、体がリセットされて疲労回復に。カーテンを開けて寝て、朝日を逃さないようにしましょう」(新菜先生)
カーテンを開けて寝るのが正解だが、明るければいいわけではない。メラトニンの分泌を阻害するので、電気をつけたまま寝るのはNGだ。
【Q5】寝る前のストレッチ or 寝る前の深呼吸
正解は寝る前の深呼吸。「深呼吸は副交感神経のスイッチで、快眠へと導きます。さらに、“合せきのポーズ”で気の流れをよくしながら深呼吸すると効果大。一方、ストレッチで頑張って体を伸ばすと、かえって緊張がとれず、安眠を損なう交感神経が高まってしまうので気をつけて」(せいこさん)
合せきの“せき”は足裏をさし、足裏を合わせたポーズのこと。骨盤まわりの筋肉をほぐし、とくに股関節を柔らかくする効果がある。横になって行い、さらに両手を広げることで気の流れがよくなり、安眠と疲労回復になる。
「女性自身」2021年5月25日号 掲載