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新型コロナのオミクロン株の感染が急拡大するなか、「コロナ保険」が人気を集めている。そんな、コロナ保険について経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。

 

■感染拡大受け、保険にも変化が

 

代表的なものは、スマホ決済のPayPayアプリ内で買えるPayPayほけん「コロナお見舞い金」です。基本プランは保険期間3カ月分の保険料が1,500円。医師に新型コロナと診断されたら、保険金5万円が支給されます。

 

この保険は’21年12月に保険料500円で販売を開始。販売から1カ月半で加入件数が20万件を突破しました。2月10日から保険料が上がりましたが、申し込みが簡単で当初はワンコインの手軽さもあり、加入者が増えたのでしょう。

 

ただ注意したいのは、契約から14日間は補償の対象外の「免責期間」であること。発症後の加入を防ぐためによくある条件ですが、免責期間に感染、発症しても保険金はおりません。保険期間は3カ月というものの、免責期間を除くと実質2カ月半です。

 

2つ目は、大樹生命の「おまもリーフ」です。基本プランの保険料は女性が毎月340円で、保険期間は5年。けがや新型コロナなどの感染症で入院したら、保険金10万円が受け取れます。

 

加入者は約5万7,000人と人気商品でしたが、2月4日に突然、販売が停止されました。新型コロナにかかる方が増えて、保険会社が支払う保険金額が、想定を上回る見込みになったからです。

 

というのも、保険会社は損になる商品は販売しません。たとえばPayPayほけんの場合、2月9日までの保険料500円で20万人が加入したので、保険会社には1億円の保険料が集まりました。この1億円はコロナにかかったときにもらえる保険金5万円の2,000人分です。つまり、加入者20万人中感染者が2,000人以内なら保険会社は損をしない計算でしたが、予想以上に感染者が多く、保険料引き上げに。大樹生命も損失が出そうだと判断したのでしょう。

 

3つ目は、第一スマートほけんの「コロナminiサポほけん」。保険期間は3カ月で、保険料は新型コロナの感染状況で変わります。たとえば今年1月に新規契約した方の保険料は890円でしたが、2月だと3,840円。感染が拡大したため、保険料が上がったのです。

 

保険は、不運な状況になったらお金がもらえる“不幸くじ”。だとすると、当たりやすいくじは掛金が高いのも納得できます。要は、確率とお金の問題なのです。

 

そう理解したうえでコロナ保険には2つの注意点があります。

 

1点は保険金の受け取り方法です。最近増えている「みなし陽性」などの場合、どんな手続きが必要か、保険金が出るのか、ご確認を。

 

2点目は加入中の医療保険でカバーできないか。多くの生命保険や医療保険が、新型コロナの自宅療養でも保険金を支給します。加入中の保険会社にお問い合わせを。

 

この機会に、自分の保険を見直してみてはいかがでしょう。

 

【PROFILE】

荻原博子

身近な視点からお金について解説してくれる経済ジャーナリスト。著書に『「コツコツ投資」が貯金を食いつぶす』(大和書房)、『50代で決める!最強の「お金」戦略』(NHK出版)などがある

経済ジャーナリスト

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