「停電、断水などが起きたとき、レジ袋やペットボトル、新聞紙といった、どの家庭にもある身近なものを活用することで、簡単に防災グッズを作ることができます」
そう教えてくれたのは、危機管理アドバイザーで、防災対策に詳しい「危機管理教育研究所」代表の国崎信江さん。
3月16日、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生。1都8県で、約210万軒が停電した。震源地に近い福島県、宮城県などの東北地方では、停電のほかに断水被害が起こった。
地震に限らず、災害時にいちばん困るのは、やはりライフライン(電気、水道、ガスなど)が途絶したときだろう。そこで国崎さんに、家の不用品でもできる、“いざ”というときに役に立つ、手作り防災グッズを紹介してもらった。
■停電で困ったときにレジ袋が意外な活躍を
「たとえば、懐中電灯とレジ袋があれば、簡単にランタンが作れます。コップの中に懐中電灯を入れて固定し、あとはレジ袋をかぶせるだけ。レジ袋から広がる光によって、周囲が明るくなります。また、断水で自宅のトイレが使えなくなったときは、ゴミ捨て用のポリ袋と新聞紙を活用しましょう。便器をポリ袋で覆って、その中に新聞紙を入れる。これで使用できます」
このように、家庭にある身近なものを使って“即席”の災害対応ができるのだ。
【レジ袋+懐中電灯→“ランタン”】
〈用意するもの〉
懐中電灯…1本
コップ…1個(懐中電灯が収まるもの)
白いレジ袋…1枚
(1)懐中電灯のライトの面を上向きにしてコップに立てる。
(2)懐中電灯をレジ袋で覆い、口を縛れば完成。
「水が入ったペットボトルを懐中電灯の上に置いてもランタンになりますが、災害時の水は貴重です。レジ袋を使ったほうが効率がいいですし、光も広がります」(国崎さん・以下同)
【新聞紙+ポリ袋→“トイレ”】
〈用意するもの〉
ゴミ捨て用のポリ袋…2枚
新聞紙…数枚
漂白剤…適量
(1)トイレの便座を上げた状態で、ポリ袋を便器のふちにひっかけて広げる。
(2)便座を下ろし、座面を覆いながら2枚目のポリ袋を広げる。
(3)細かくちぎった新聞紙を敷き詰める。
(4)用を足したら、さらに新聞紙をかけてポリ袋の中に漂白剤をキャップ1杯まく。
(5)2~3回使用したら、2枚目のポリ袋の口をしっかり縛って処分する。
「最近は新聞を取らない家庭が多いので、ポストに投函されているフリーペーパーなどをストックしておくと、新聞紙の代わりになります」