簡単に血圧コントロールを! 画像を見る

手を握るだけで血圧が下がる「リズムニギニギ」。医学的な裏付けがあるうえ、簡単かつお金がかからないこの方法、毎日のルーティンにすれば、健康寿命アップ間違いなしーー!

 

「一酸化窒素は、私たちの血管内でも作られていて、重要な役割を果たしているんです」

 

こう話すのは、糖尿病内科・漢方医の工藤孝文先生だ。

 

一酸化窒素と聞くと車の排気ガスなどに含まれ、大気汚染をしている悪い物質というイメージがあるが、人体の中ではどのような働きをするのだろうか。

 

「一酸化窒素は、血管にある平滑筋を弛緩させて軟らかい状態に保ち、血管を広げるので、血の流れをよくする作用があります。そのため、血流がよくなり、血圧を下げることになります」(工藤先生・以下同)

 

これらに加えて一酸化窒素には、人体に有用な作用があるという。

 

「一酸化窒素には、血液の塊である血栓を防いだり、血管を老化させている活性酸素を除去したりする作用もあるんです」

 

一酸化窒素はどのようにして体内で発生するのだろうか。

 

「一酸化窒素は、血管の内皮細胞が刺激されると発生します。それは運動などで血流を速くし、血管の内皮細胞に刺激を与えることでも生成され、血液中に放出されます。一酸化窒素が不足して血管が硬くなっても、血流を速くすることで、血管を軟らかい状態に戻すための機能が、私たちには元々備わっているということになります」

 

一酸化窒素のこのような働きや仕組みはすでにさまざまな治療で活用されている。

 

「ニトログリセリンという薬は、 狭心症の発作を止める薬ですが、一酸化窒素の血管を広げる作用を利用しています。さらに、高血圧の治療などにも一酸化窒素の発生を高める働きを持つ薬が使われています」

 

血管は年とともに誰でも老化していくため、生活習慣を改善することなどで、血管の老化、ひいては、動脈硬化の進行を防ぐことが必要だ。

 

そこで紹介するのが工藤先生考案の「リズムニギニギ」。手の運動によって、血流がよくなり、血圧も下げられるというものだ。

 

【リズムニギニギのやり方】

〈1〉手を心臓より低い位置にし、片手を1秒に1回のペースで握っては開くを繰り返す。強すぎず弱すぎずの、ほどよい加減の力で60秒続ける。
〈2〉もう片方の手も同様に行う。
〈3〉〈1〉~〈2〉を1日に1~2セット行う。

 

※注意:起床後すぐには行わない。片手ずつ行う(両手同時はNG)。自然に呼吸をしながら行う(息を止めるのはNG)。

 

「リズムニギニギは、名前のとおりリズミカルに手を握って開くという運動です。手の位置は、心臓よりも低くし、片手を1秒に1回のペースでぐっと握って開き、60秒間繰り返します。反対の手も同じように繰り返したら1セット、1日最低でも1~2セット行いましょう」

 

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