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「頭痛の苦しみは、当事者でないと理解できません。頭痛によって、仕事の効率や生活の質も低下するでしょう。頭痛が日本経済に与える損失は、年間約2600億円に上るという試算があるほどです」

 

そう話すのは、日本初の頭痛専門クリニックを開設した頭痛専門医の丹羽潔先生だ。日本の人口の3人に1人、実に約4000万人以上の人が、「頭痛」に悩まされている。

 

「『たかが頭痛』といわれることもあり、市販の鎮痛薬で痛みをしのいでいる人が本当に多いのです」

 

頭痛には、わかっているだけで367種類あるそう。なかでも、首や肩のコリなどから起きる「緊張型頭痛」は患者数が約3000万人で、頭を動かすと痛い「片頭痛」が約1000万人。これら二大頭痛で、全頭痛患者の9割を超える。

 

「緊張型頭痛はよく『肩コリ』が原因といわれますが、実は99%、『首コリ』が原因です」(丹羽潔先生・以下同)

 

首コリの最大の原因はスマホだという。長時間うつむき加減でスマホを見ていると、本来ゆるやかに背中側へカーブしている頸椎がまっすぐになる。PCなど細かい手元作業や眼精疲労、寒さなどで肩をすぼめるなどでも、首や肩、側頭部の筋肉が収縮し、血管が圧迫されて血流が悪くなり、痛み物質や疲労物資が発生して、緊張型頭痛が起こるのだ。

 

緊張型頭痛はなんとなく痛み始め、長いと1週間くらい、頭が重く圧迫される痛みが続くが、仕事や家事ができないほどではない。また、じっとしているより動いたほうが楽になるのが特徴だ。

 

「片頭痛を引き起こすのは、過度なストレスやストレスからの解放、寝すぎや寝不足、騒音、光、臭いなどさまざまです」

 

これらの誘因が自律神経や三叉神経を興奮させるが、通常は幸せホルモンといわれる「セロトニン」が興奮を抑えてくれる。だが、許容量を超えるとセロトニンの制御が利かず、脳の血管が拡張して片頭痛が起きるのだ。

 

そんな、頭痛を回避する生活習慣を紹介。

 

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