今年も残すところあと1週間となった。
年末年始は実家へ帰省し、家族や地元の友人と昔話に花を咲かせる人も多いのではーー。
そんな“地元”に関する、あるツイートが話題を呼んでいる。
《青森出身の妻と熊本出身の自分とで「東京に出ること」の価値観が全く噛み合わなかったなこないだ》
このツイートはむへどるりさん(@muhedoruri)によって11月上旬にTwitterで投稿され、12月23日時点で3.1万いいねを超える反響を呼んでいる。
投稿主は続けてこうツイート。
《東京に出ること、大都市を指向すること、地元にいられなくなること、地元を捨てなければならないこと、そういう物事への価値観が南日本と北日本で全く違った。
熊本は政令市の南端として一定の地位を保ちながらも、仕事がそんなにあるわけではないので福岡・広島・岡山・大阪も移住の選択肢に含まれる。数多くの中からどこを選ぶかという問題であって……でも青森は違う。東京以外に選べず、東京に出ていけないならどうにもならない。らしい。実感はある。
もちろん途中に仙台もあるのだけれど、あそこはそこまで大きい街ではないので上澄みでなければ残留できない、小さくなった横浜のような街。そんなわけで青森県は閉塞感が熊本とぜんぜん違うらしい》
SNSでは、《意外だった》という声が上がる一方で、東北出身と見られる人を中心に共感の声が続々と寄せられている。
《これめちゃくちゃ分かる。札幌あるじゃんの意見を言うのは東北民ではないはず。なぜなら雪国出身者は雪の大変さを分かっているから。あと通販の送料とか考えると北海道高いので……九州の方が沖縄を選ぶのか?という所(土地の魅力とかは抜きで)》
《親が転勤族で東北も九州もいたけど、仙台に出るのと福岡に出るのはほんと訳が違う》
《確かに青森に住んでいると「東京に行けるか、無理か」の二択であって、熊本のように「地元に残りたいけど階層の固定化が始まっているからちょっと難しいんだよな。外に出るか」みたいな自由度を感じている様子が全くない》
《青森出身だけど、やはり普通に有無を言わさず東京に来たな〜。地元に帰りたいと思うことは無いし、帰ってもやることないと思う。賃金やら何やら、なかなか厳しい県だなと。
ただ地元嫌いとかではないんだけどね、青森愛はあるんよ〜》
《西日本って選択肢多いんだなぁ……》
投稿主に話を聞くと、この議論になったきっかけは、映画『ウエスト・サイド・ストーリー』のジェット団とシャーク団の描写を見たことだったという。
『ウエスト・サイド・ストーリー』は、移民や低所得者たちの町・ウエストサイドでイタリア系移民のジェット団とプエルトリコ系移民シャーク団の若者たちが縄張り争いを繰り返すなか、シャーク団のリーダーを兄に持つ少女が、あるときダンスパーティーに参加し、対立するジェット団の元リーダーの青年と恋に落ちてしまう物語だ。
その故郷に対する描写が重なり、本編を中断してしまうほど議論が白熱したという。
生まれ故郷で大きく変わる”東京に出ること“の価値観。共感する夫婦も多いのではないだろうかーー。