《梅干し離れの原因として、お客様が本当に求めているものとの差異があったのではと感じております。そこで、皆様が本当に求める梅干しを作るためにも「こんな梅が欲しい」などのお声を頂ければと思います。何卒よろしくお願いします》
1月14日、Twitterにこう綴ったのは和歌山県で梅干しの製造を行う「梅樹園」だ。
さかのぼること10日、梅樹園はTwitterで《皆さん、現在梅干し業界がどのような状況かご存じでしょうか》と切り出し、《令和元年から令和3年の梅干しの年間消費量は、1世帯当たり約663g》《弊社の梅干し倉庫はパンクしており、梅農家さんが作った梅干しの多くは行き場のない状態です。またこの状態が続くようであれば、弊社も含め多くの梅干し屋さんが廃業することになります》と窮状を明かしていた。
すると13日に「まいどなニュース」が配信した記事の中で、梅樹園の担当者は「1年間に10キロが入る原料樽を2万本ほど加工しています。このままの状態だと、今年生産する梅干し原材料の行き場がなくなってしまう恐れがあります」などとコメント。
また記事の中では、食の選択肢の多様化、朝ごはんにパンを選ぶ人が多くなったこと、家族構成の変化などから“梅干し離れ”が加速させていると説明されていた。
この記事が配信されると、Twitterでは「梅干し離れ」がトレンド入り。その際、梅樹園はTwitterで《今は「梅干し離れ」がトレンド入りしてますが、それを「梅干しブーム」に変えるのが私たちの仕事です。絶対できる!!》と意気込んでいた。
そして14日、梅樹園は冒頭のように「どんな梅が欲しい?」とアンケートを実施。この投稿は2日で、すでに520万以上のインプレッションを記録するなどの大きな反響を呼んでおり、その回答を見ていくと梅干しユーザーが求める“理想の梅干し像”が見えてきた。
まずは味の面だ。例えば《甘くない、昔ながらの酸っぱい梅干しがほしいです》《原材料が塩と梅(と紫蘇)のみのシンプルな昔ながらの梅干し》とシンプルな梅干しを求める声が。そのいっぽうで、《酸っぱいの苦手だから蜂蜜漬けのなくなったら困ってしまう…》《先日スーパーではちみつ梅と普通の酸っぱい梅(塩と紫蘇のみ)の両方売ってたけど圧倒的にはちみつ梅が売れてたよ》と甘みの強い梅干しの人気ぶりも確認できた。
また梅干しの実に対しても《大きな柔らかめのお願いします》《種のない梅干しが欲しいです》という声が。さらに販売容器のサイズ感に対しての提案もこう上がっている。
《1個とか2個入りで100円位でレジ横に売ってたら買いやすいです。和菓子みたいな包装で》
《サイズが大きくて購入した際に思っていた味でない時消費に苦慮するので、小さめのサイズ等があれば購入しやすいなと思います》
なかには「もっと色んな梅干しを楽しみたい!」という人たちもいるようで《食べ比べ梅干しセットがほしいです。紫蘇とお塩だけのすっぱい梅干しから変わり種までいろんな種類を食べ比べて新しいすきな梅干しを見つけたい!》という声や、《おやつとして楽しめる梅干しが食べたい。止まらなくなる味付けが嬉しい》とスイーツ感覚で梅干しを楽しみたいという声も。
ほかにも《おにぎりやパスタ等に特化した濃いめの味付けの専用梅が欲しいです》《おにぎりで食べることが多いので、おにぎり専用の梅干しとか買います。(卵かけごはん専用の醤油的な)》と調理に便利な梅干しを求める声も上がっている。
そんななか「TPOに合った梅干しがあればいいのでは?」という声もこう上がっている。
《登山時にちょこちょこ食べられる梅干しがあれば。あと、アウトドアなどの時用におにぎりにお薦め!とかで売ってたら気になるかもです》
《「ダイエット用低塩分焼き梅干し」「受験生・デスクワーク・運転用手を汚さず食べられるお口で長持ち眠気覚まし梅干し」「腸活用カテキン・カルシウムマシマシ梅干し」など、ご飯やお茶のお供以外の提案があればいいですね》
“梅干し離れ”にストップをかけたい梅樹園に、様々な要望を投げかける梅干しユーザーたち。しかし、「梅干しに問題があるわけではないのでは?」という人たちもおり、《梅干しって安くないのよね カリカリ梅と干し梅好きだけど、他のお菓子と比べてもちょっと高かったりするし、国産だともっと高くなっちゃう》という意見も。
多様な意見が寄せられた梅樹園だが、念願の“梅干しブーム”は起こせるだろうか?