年末年始は子や孫の帰省や親戚の集まりなどで、食費や交通費、レジャー代と何かと出費がかさむ。さらに“正月料金”で割高に。SNS上では《行きつけのカラオケ屋がすでにお高い正月料金…》《ホテルと交通費は正月料金で予約大変》という声も。
お得感が少ない時期に唯一、割引が適応される可能性を秘めるのが「シニア割」だ。
最近では50代から使えるサービスも出ている。
「シニア割という名前でも、実は50代から使えるなど対象を拡大することで、リピーターを増やしたいという店側の思惑があるのでしょう。家族利用できるサービスもありお得度が高いので、年末年始は積極的に利用すべきです」
そう教えてくれるのは、節約アドバイザーの和田由貴さんだ。
「冬休みの旅行は、初売りセールだけでなくシニア割もチェックしてみて。旅行予約サイト『じゃらんnet』には特別サイト『50歳からのじゃらん』があり、50歳以上限定のお得なプランが揃っています。『楽天トラベル』や『ゆこゆこ』にも50代からの割引プランを集めているページがあります。割高な年末年始の温泉宿をラッキーな価格で泊まれる可能性が」
50代以上は家族が集まると外食費を負担することが増える年代でもある。
「それも見越して、シニア割は同伴者も割引になるパターンも多いです。ファミレス『ガスト』などで使えるすかいらーくグループの60歳からのプラチナパスポートは、無料で作れて、同伴者6名まで5%割引に。年末年始も利用できます」(以下、和田さん)
その他、回転ずしチェーン「スシロー」にも60歳以上対象のポイントカードがある。スタンプ2個たまると50円割引、15個たまると100円割引などお得になり、5名まで特典が適応される。
全国の交通機関にはシニア割適用が多い。街乗りバスやタクシー、高速タクシーなども割引を設けていることが。さらに、JR6社共通の「ジパング倶楽部」は、女性60歳から年会費3,840円で全国のJR線の切符が年間20回まで最大30%割引に。JRグループのホテルも優待料金で利用できる。
「年会費はかかりますが、旅費によっては1回の旅行で元が取れる計算に。早めに予約しないと割高になる飛行機も『スカイマーク』の場合60歳以上から、『JAL』と『ANA』は65歳から当日予約でも運賃が割り引かれます。ただし、交通機関の場合、年末年始は利用不可なことが多いため注意して」
学び直しや趣味を広げたいと考えている人もお得になる。
「インターネット大学の『八洲学園大学』にもシニア割引があり、50歳以上で授業料が割引されます。司書資格取得の場合、約12万5千円の割引になるなど、とても安くなるんです」
通信講座などもある「朝日カルチャーセンター」は65歳以上で入会金が0円。オンライン証券「auカブコム証券」では、50歳以上で現物株式の売買手数料が2~4%オフに。また、「エプソン」のパソコンを電話またはインターネットで注文すると、60歳以上から「パソコンシニア割」特典が利用でき、送料が無料に。
ただ、シニア割を使うときは、注意が必要なこともあるという。
「身近なスーパーや薬局、映画やカラオケなどの商業施設にもシニア対象の割引はあります。例えば大手スーパーの『イオン』は55歳から毎月15日は5%オフ、靴専門店の『チヨダ』も毎月14~17日は10%オフ。スギ薬局は60歳以上を対象に毎月15日~17日は5%オフに。
ただし、多くは年金支給日にあたる毎月15日か前後が対象日です。気が大きくなって買い過ぎる恐れがあるため、“安くなるなら覗いてみよう”といった使い方はNG。必要なモノをあらかじめリスト化し、買い物リストを作ったうえで、割引日にまとめ買いするのがおすすめです」
よく使う店やサービスのシニア割をチェックして、2024年はお得に利用しよう!