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コカ・コーラボトラーズジャパンは、’24年から自動販売機に変動価格制(ダイナミックプライシング)を導入すると発表しました。

 

ダイナミックプライシングとは、需要と供給のバランスによって価格を細かく変動させる仕組みです。価格表示を遠隔操作で変えられる通信機能付きの自動販売機を設置し、「夜間〇時~〇時は10円引き」などと切り替えるといいます。

 

すでに’23年5月から1都2府35県で試験導入が始まっていて、’23年内に対象機が数千台に増加。とはいえ同社の自動販売機は約70万台あるので、対象機はまだわずかですが、ダイナミックプライシングの広がりを感じます。

 

20年ほど前から「定価」が減っていき「一物一価」はもはや過去のものです。昔は年末年始などの繁忙期と閑散期、S・A・Bなどの席種によって料金が変わる程度、価格差のパターンは2~3種でした。しかし、AIの出現で、多種類の価格を高頻度で変動させるダイナミックプライシングが可能になったのです。

 

ダイナミックプライシングは、宿泊施設やスポーツ観戦などのチケット、レジャー施設や遊園地の入場料などにはすでに浸透していますが、今後は、冒頭の自動販売機以外にも拡大が進むようです。

 

たとえばタクシーです。’23年5月から国土交通省に申請したタクシー会社はダイナミックプライシングを導入できます。ただ配車アプリの利用に限られるため導入数はまだ少ないですが、雨の日や深夜は高く、晴れた日中は安い料金設定が可能。配車アプリの浸透とともに増えていくでしょう。

 

また、千葉県でコインランドリーを運営するwash-plusでは、コインランドリー専用のアプリで、QRコードで決済できます。その際、気象情報などを基にしたダイナミックプライシングを採用。利用者は事前にアプリで料金を確認してから利用する時間を選べますし、混雑も緩和できて、企業の業績も好調だといいます。

 

ダイナミックプライシングは、企業側の利益アップが注目されがちですが、利用者にとっても選択肢が広がり、合理的で公平な仕組みといえるでしょう。

 

ですが、身近にダイナミックプライシングが増えると、どの価格で買うかという判断基準を自分で持つ必要があります。スーパーで「閉店間近だと安いかも。でも、ないと困るから高くても今買う」などと考えるのと同様です。

 

また、情報収集も大切です。宿泊施設などでは、早めに予約をとれば「早割」が利用できる。逆に、直前で空室があれば「直前割」で安くなるかもといった情報を知っていれば、最安値をねらうこともできますよね。

 

そのためにはスマホで情報を集めることが欠かせません。「スマホは苦手」などと敬遠せずに、家計を救う“お得探しゲーム”のつもりでトライしてみましょう。

経済ジャーナリスト

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